会社を始める際には、なぜその会社を興そうとしたのかという理念(Mission)と、具体的に何を達成したいのかという目的(Objective)を、自分できちんと書いてみることが重要である。
いくら小さくとも会社は一つの共同体だから、その理念と目的を、社員やお客様、さらには社会に対してわかりやすく伝えることが大切なのである。この二つをはっきりさせず、ただお金が儲かるからとか、人に頼まれたからという理由で始めても、会社という共同体は長続きしない。
私も、自分の会社サンモテギ・リサーチ・インク(SMR)を始めるに際して、まずこの二つを書いてみた。書いてみると、あいまいな点やつじつまの合わないところが見えてくる。いろいろと書き直して、最終的に下記のようなものになった。
企業理念(Mission):
電子出版などの新しいエレクトロニクス・ネットワークビジネスを通じて、人間の知の拡大に貢献する
活動目的(Objective):
1.エレクトロニクス・ネットワーク業界におけるビジネスコンサルティング
2.電子出版などにおけるコンテンツ企画および作成
3.電子出版などにおけるコンテンツ配信、販売
4.その他上記関連業務
30年近くエレクトロニクス関連の会社にいたと同時に、読書や物を書くのが好きだから、「電子出版」という分野に興味があった。しかし、せっかくスモールビジネスを立ち上げるのだから、ビジネスを成功させるというだけではなく、ビジネスを通して何か社会に貢献したかった。それが「人間の知の拡大に貢献する」という言葉になった。
これまでのところ、電子ペーパーと呼ばれる、紙のようにフレキシブルなディスプレイを開発する会社のコンサルティングを行う一方、小説など電子書籍のコンテンツを作成してきた。また、仲間と一緒に「出版UD研究会」という、視覚障害など、さまざまな立場にある読者のニーズを生かした出版のユニバーサル・デザインを考える研究会の世話人を続けている。
最近始めた「スモールビジネス・サポートセンター」では、起業しようとする人たちを様々な面からサポートするという新たな方法で、人間の知の拡大に貢献するつもりだ。
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