夜間飛行

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理念希薄企業

2013年04月09日 [ 起業論 ]@sanmotegiをフォローする

 先日上梓した電子書籍“複眼主義 起業論”の中で、

(引用開始)

 会社を非難する場などで、よく「大企業のくせに」という言葉を聞くことがありますね。資産や売り上げ、従業員数などが大きいくせにやっていることが社会の為になっていない、といった意味なのでしょうが、私はこの「大企業」という言葉があまり好きではありません。「大」という言葉には、「大人」や「大学」のように、レベルが高いという意味が内包されているように思います。会社で最も大切なのは、「理念と目的」であり、図体がいくら大きくても、「理念と目的」が希薄な会社は、けっしてレベルの高い一流企業ではありません。ですから、そういう会社のことは、「大企業」ではなく「理念希薄企業」と呼びたいと思っています。世の中には、「大企業」と「中小企業」があるのではなく、理念と目的をしっかり持った「理念濃厚企業」と、そうでない「理念希薄企業」が存在する、というわけです。

(引用終了)
<同書「ホームズとワトソン II」の項より>

と書いた。会社の理念の重要性については、先日「理念(Mission)先行の考え方」の項でも触れたところだ。

 先々回「認知の歪みとシステムの自己増幅」の項で、「過剰な財欲と名声欲、そしてそれが作り出すシステムの自己増幅力」について述べたが、会社組織において、この「過剰な財欲と名声欲、そしてそれが作り出すシステムの自己増幅力」が発現するのは、そういった「理念希薄企業」に於いてである。どういうことか説明しよう。

 電子書籍“複眼主義 起業論”でも書いたように、会社とは、そもそも社会の役に立つために存在するはずのものだ。会社は、複眼主義で言うところの「生産」(他人のための行為)を、個人を超えた規模で行なう場合に設立されるもので、会社の「理念」とは、その会社がどの分野で、どのように社会へ貢献しようとするのかを表現した声明文(Statement)である。そして会社の「目的」とは、その会社が具体的に何を達成したいのかを纏めたものだ。だから、会社にとって、「理念と目的」はその存在意義に関わる最も大切なものの筈である。

 「理念希薄企業」とは、その最も大切な「理念と目的」、なかでも「理念」を失った、あるいは失いかけた企業を指す。そういう会社には、弱った体に活性酸素が増殖するように、「過剰な財欲と名声欲、そしてそれが作り出すシステムの自己増幅力」という病原が忍び寄ってくる。

 先々回の「認知の歪みとシステムの自己増幅」に沿って「理念希薄企業」を覗いてみよう。勿論そういう会社が起業当時の「理念」を思い出して、あるいは見直して、「理念濃厚企業」として再生する場合もあるだろうが、ここでは病原に犯された会社の姿を覗いてみたい。

 まずその企業の株主と経営トップに、起業したときの人たちに代わって、財欲と名声欲(greed)の権化のような人たちが陣取っているのが見える。かれらの会社運営の目的は「利益」である。そしてその利益から得られる配当である。次に見えてくるのは、中間管理層としての官僚たち(bureaucrats)である。彼らは会社の組織を粛々と運営し、その拡大を図り、それが生み出す財と名声のおこぼれを株主と経営トップから貰いながら、ときには株主と経営トップを代弁して社会に対して偽りの情報を流す。さらに見ると、「理念希薄企業」には、実に大勢の「顔なし」たちが生息している。かれらは、経営トップや中間管理層の言うことを無批判に受入れて、そのまま信じ込んでしまう「認知の歪み」を抱えた人たちだ。

 いかがだろう、いささかグロテスクに「理念希薄企業」を描写したけれど、皆さんの周りにも、昨今こういった会社が少なくないのではあるまいか。「真っ当な人間」であれば、誰でも「理念濃厚企業」で働きたいと思うに違いない。そして、もし自分に、個人を超えた規模で「生産」(他人のための行為)をしてみたい分野があるのであれば、準備万端整えた上で、理念濃厚なスモールビジネスとして「起業」することをお勧めしたい。

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posted by 茂木賛 at 11:57 | Permalink | Comment(0) | 起業論

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