夜間飛行

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活性酸素

2013年03月19日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 このブログではここまで、免疫、皮膚、自律神経、エネルギー生成、水、呼吸、ミネラル、腸内細菌、ホルモン、栄養素など、「健康」について色々と書いてきた。

免疫:「免疫について
皮膚:「皮膚感覚
自律神経:「交感神経と副交感神経
エネルギー生成:「解糖系とミトコンドリア系
水:「水の力
呼吸:「呼吸について
ミネラル:「硬水と軟水
腸内細菌:「脳腸バランス
ホルモン:「神経伝達物質とホルモン
栄養素:「糖質と脂質

 健康については勿論このほか、栄養素としてのたんぱく質やビタミン、機能性成分、さらには運動や鍼灸、漢方など様々あるわけだが、根本的に大切なのは、体内に発生し病や老化を齎す「活性酸素」をいかに抑制・除去するか、ということだ思われる。「糖質と脂質」の項で紹介した“糖質革命”という本から、酸化と糖化に関する文章を引用しよう。

(引用開始)

 老化を促進する原因は「酸化」と「糖化」です。
「酸化」は呼吸で得た酸素が体内で人間に有害な活性酸素へと変身し、体内を「サビ」つかせる現象です。
「糖化」は、体内にある糖類が身体を構成するあらゆるたんぱく質と無差別に結合してたんぱく質を変質させて、体内を「コゲ」つかせる現象です。(中略)
 腸から体内に取り入れられた鉄や銅を運搬しているたんぱく質が糖化すると、そのたんぱく質が変性して鉄や銅が遊離します。鉄や銅は体内の過酸化水素と反応して、ヒドロキシラジカルというもっとも強い活性酸素を発生させます。
 このように糖化と酸化は車の両輪のように関係しあって進行します。糖化は「コゲる」、酸化は「サビる」と呼ばれます。「コゲ」「サビ」の両輪が、私達を日々老化させているわけです。

(引用終了)
<同書 90−92ページ>

 活性酸素とは、電子数が変化して不安定になった酸素のことで、強い酸化作用がある。「糖質と脂質」の項で引用した“脳はバカ、腸はかしこい”の文章にも、活性酸素の影響による酸化と糖化に関する部分があった。念のために再度引用しておこう。

(引用開始)

 近年、老化や寿命に関係ある栄養素として、糖と脂質が重要視されてきました。糖や脂質は活性酸素の影響を受けてカルボニル化合物になり、たんぱく質を修飾して「AGEs(糖化最終産物)」を生成し、脂質が修飾を受けて「ALEs(脂質過酸化最終産物)」を生成し、これらが細胞や組織を傷害して老化やさまざまな病気の発症や進展につながっていくと考えられるようになったからです。このようなAGEsができる反応を、「タンパク質の糖化(グリケーション)」と呼んでいます。
 生物が呼吸して取り入れている酸素の95%以上は、生体中のミトコンドリア内の電子伝達系で水に分解されます。しかしその3〜5%が中間体として残り、いろいろな活性酸素が生成されます。その活性酸素にはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、脂質ペルオキシドラジカル、次亜塩素酸などがあります。これらの活性酸素は他の物質と反応して安定しようとする性質があり、過剰になると共存するタンパク質や脂質、核酸などを酸化変性させてしまいます。その結果、糖と結合しAGEsに、脂質と結合してALEsになるのです。

(引用終了)
<同書 184−185ページ(文中の化学記号は省略)>

 体内の活性酸素は、自律神経の働きからも発生するという。“「自分の免疫力」で病気を治す本”安保徹・岡本裕共著(マキノ出版)からその部分を引用したい。

(引用開始)

 交感神経が緊張し、アドレナリンの作用が強くなると、その刺激を受けて顆粒球が増加します。顆粒球はふえすぎると体内の常細菌を攻撃し、急性肺炎、急性虫垂炎、腎炎、膵炎など化膿性の炎症を起こします。また、細菌のいないところでは活性酸素をまき散らし、組織を破壊します。(中略)
 体内では、呼吸で得た酸素から発生する活性酸素、細胞の新陳代謝から生ずる活性酸素など、さまざまなルートで活性酸素が産出されますが、活性酸素全体の比率では、顆粒球から放出されるものが8割を占めています。顆粒球が増加すればするほど、組織破壊が進むことになります。

(引用終了)
<同書 128ページ>

 以上、体内の活性酸素の発生と弊害についてみてきたが、その抑制・除去に必要なのが、初めに列記したような健康と体の恒常性(ホメオスターシス)に関する事項の理解であり、さらにこれからも発見されるであろう最新医学の勉強なのだと思う。ただし、「五欲について」の項で述べたように、いくら健康であっても、人や社会のために何もしないのでは、まったく宝の持ち腐れである。五臓六腑を健康に保ち、さらに脳を鍛え、生産(他人のための行為)に励もうではないか。

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posted by 茂木賛 at 13:00 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

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