夜間飛行

茂木賛からスモールビジネスを目指す人への熱いメッセージ


行動の契機

2012年07月02日 [ 生産と消費論 ]@sanmotegiをフォローする

 先回「複眼主義とは何か」の項で、複眼主義とは、脳と身体、都市と自然といった二項対比・双極性について、

(一)その特質を、的確に抽出すること
(二)どちらか片方に偏らないバランスの取れた考え方を実践すること
(三)特質を様々な角度から関連付け、発展させていくこと

であると纏めたけれど、この複眼主義において、「行動の契機」は何によって与えられるのだろうか。ここでいう「行動」とは、日常生活上のことではなく、人生における目標、仕事の動機、生きる目的といったことを指す。今回はこのことについて考えてみたい。

 脳と身体、都市と自然といった二項対比・双極性の系は、行動の契機というよりも、個人や社会における「公(public)と私(private)」のバランスであった。行動の契機(人生における目標、仕事の動機、生きる目的)における二項対比・双極性は、この系列とは別の、そう、このブログで再三論じている「生産と消費論」という系に求められる。

 「小説“僕のH2O”について」の項で書いたように、「生産と消費論」における二項対比・双極性は、

1. 人は社会の中で生産(他人のための行為)と消費(自分のための行為)を繰り返していく。人は自分のために生まれるのではなく、社会のために生まれてくる。

2. ある人の生産は他のある人の消費であり二つは等価である。生産は主に理性(交感神経)的活動であり、消費は主に感性(副交感神経)的活動である。

というものだ。人生そのものが他人の為などというと、宗教かボランティア活動と誤解されかねないが、この考え方は、自分の為のことをしてはいけないのではなく、「それが回りまわって人の為になる」というところに力点を置いている。

 この二項対比・双極性において、行動の契機(人生における目標、仕事の動機、生きる目的)とは、社会のために生まれてきた個人が、どのような分野でその貢献を果たすのかということであるから、それはここでいう「生産」のあり様であるということが出来る。

 人は自由意志に基づいて、自分の得意分野で「生産」を行なうことができる。以前「継承の文化」の項で述べたように、それは至高的存在としての“あなた”に近づこうとする自由意思である。

 この生産と消費の系列については、これまで、

I   生産−交感神経優位−理性−統合
II  消費−副交感神経優位−感性−分散

といった二項対比・双極性を指摘してきた(詳しくはカテゴリ「生産と消費論」の記事をお読みいただきたい)。

 さて、それでは「脳と身体」や「都市と自然」の系における二項対比・双極性と、「生産と消費」の系列におけるそれとの関係はどのようなものなのだろうか。それについては以前「“わたし”とは何か II」の項で、

(引用開始)

 この「脳と身体」の双極性と「生産と消費」の対極性は、前者を横軸にとれば、後者は縦軸となる関係である。相関の詳細については、「縦軸と横軸」、「楕円と斜線分」、「上下のベクトル」の各項を参照していただきたい。

(引用終了)

と書いたことがある。すなわち、人(脳と身体)は、都市と自然に対して、影響を及ぼし(生産活動)及ぼされる(消費活動)という関係にある。人は、生産活動を通して、行動の契機(人生における目標、仕事の動機、生きる目的)を実現しようとする。

 私の場合、

A Resource Planning−英語的発想−主格中心
a 脳の働き(大脳新皮質主体の思考)―「公(public)」
Α 男性性=「空間重視」「所有原理」

B Process Technology−日本語的発想−環境中心
b 身体の働き(脳幹・大脳旧皮質主体の思考)―「私(private)」
Β 女性性=「時間重視」「関係原理」

という対比を自分のうちにバランスよく保ちながら、行動の契機としては、「理念(Mission)と目的(Objectives)の重要性」の項でも述べたように、サンモテギ・リサーチ・インク(SMR)を立ち上げ、

企業理念:
電子出版などの新しいエレクトロニクス・ビジネスを通じて人間の知の拡大に貢献する

活動目的:
1.エレクトロニクス業界におけるビジネス・コンサルティング
2.電子出版などにおけるコンテンツ企画および作成
3.電子出版などにおけるコンテンツ配信、販売
4.その他上記関連業務

といった内容の生産活動を行なっている。このブログでの発信も勿論その一環である。

TwitterやFacebookもやっています。
こちらにもお気軽にコメントなどお寄せください。

posted by 茂木賛 at 09:05 | Permalink | Comment(0) | 生産と消費論

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