夜間飛行

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寅さん考

2012年04月02日 [ アート&レジャー ]@sanmotegiをフォローする

 「“モノからコトへ”のパラダイム・シフト」(略してモノコト・シフト)についてあれこれ考えているうち、ふと、ある映画シリーズのことが頭に浮かんだ。ご存知、フーテンの寅さんこと車寅次郎が活躍する、映画「男はつらいよ」シリーズである。

 「モノコト・シフト」は、

私有    → 共同利用
独占、格差 → 分配
ただ乗り  → 分担
孤独    → 共感

世間    → 社会
もたれあい → 自立
所有    → 関係
モノ    → コト

ということであるが、寅さんの行動パターンは、左側ではなく、右側の新しいパラダイム項目に概ね当て嵌まるのである(この新旧パラダイム項目については、「“シェア”という考え方」「“シェア”という考え方 II」を参照のこと)。

 寅さんは、トランク一つ以外何も私有していない。もともと縁のない金銭的なもの以外、出来ることはすべて分担しようとする。何も独占せず、唯々、まわりの人々に分け与える。孤独に陥った人々に寄り添って共感し、勇気を与える。世間を気にしながらも最後は社会正義を貫く。過度のもたれあいを拒否して自立している。所有することよりも関係性を重んじ、まったくモノに拘らない。そしていつもまわりに新しいコトを引き起こす。

 いかがだろう、勿論寅さんはあくまで放浪者であり、定着して日常生活を送る我々とは違うけれど、こうして見ると、彼の行動パターンは今の時代のパラダイムにぴったりとフィットしているではないか。

 重要なことは、この映画シリーズが、高度成長後半期の1969年に始まり、バブル崩壊後、まだ新しいパラダイムが見えてこない1995年に終わったということである。これらの作品は、時代を映す華やかな光に対する陰画として描き続けられ、寅さんは、時代錯誤的なアンチ・ヒーローとして人気を博した。そして今になってようやく、時代(のパラダイム)の方が寅さんに追いついてきたのである。

 葛飾柴又の人情味溢れる商店街や家族愛、お寺や町工場などは、いま再び見直されつつある。寅さんが旅する日本各地の今は失われた風景を懐かしむ声も多い。我々は「男はつらいよ」シリーズというこの国民的資産を繰り返し観ることで、これからの「モノコト・シフト」の時代に備えよう。そして今からでも遅くはないから、寅さんが愛した日本の流域風景や下町情緒といったものを、もう一度取り戻したいものだ。

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posted by 茂木賛 at 10:27 | Permalink | Comment(0) | アート&レジャー

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