夜間飛行

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柱と梁

2011年11月08日 [ 街づくり ]@sanmotegiをフォローする

 “日本の建築遺産12選”磯崎新著(新潮社とんぼの本)を読む。サブタイトルには“語りなおし日本建築史”とある。本カバー裏の紹介文をまず引用しよう。

(引用開始)

「日本建築とはいったい何か?」。1960年代にキャリアをスタートし、現代にいたるまで、半世紀にわたり世界の建築の最前線で活躍しながら、鋭い切り口の建築/文化批評を行なってきた建築家・磯崎新がいまあらためて「日本建築」について語りなおす。古代から20世紀までの数多の名建築のなかから自ら選んだ12の「建築遺産」をとりあげ、「垂直の構築」と「水平の構築」という日本建築の二つの流れからその歴史を読みかえる。刺激的でまったくあたらしい、イソザキ流「日本建築史」のはじまりです。

(引用終了)

ここにもあるように、磯崎氏は日本建築の特徴を「垂直の構築」と「水平の構築」とに纏め、それに関して次のように述べる。

(引用開始)

「垂直の構築」とは言いかえれば、空間にそびえたつ<柱>。西欧では建築の根幹に石を積む行為があるのに対して、日本の場合は<柱>を立てる行為に、とりわけ象徴的な意味がある。一方、「水平の構築」とは、横の広がりを建築の内部にとりこむいとなみです。それは時に、<柱>が線状につらなる<列柱>であり、<柱>をたくみに配置することから生まれる<間>であり、さらには<柱>から<柱>へと<架構>されて空間を覆う<屋根>となります。日本の建築の特徴をつきつめると、この二つの流れが見えてくる。別の言い方をすれば、これは<壁>の欠如を意味します。伝統的な西洋建築と最も対照的なところです。

(引用終了)
<同書11ページ>

日本建築における<壁>の欠如については、以前「広場の思想と縁側の思想」の項で引用したジェフリー・ムーサス氏の“「縁側」の思想”にも述べてあった。

 磯崎氏が日本建築遺産としてあげる12の建物を、「垂直の構築」と「水平の構築」とに分けて以下並べてみよう。

「垂直の構築」

出雲大社 <超高層神殿をささえた柱>
浄土寺浄土堂 <四天柱から飛ぶ太い梁>
円覚寺舎利殿 <天井へと上昇する志向>
三仏寺投入堂 <崖のうえに現れた美学>
さざえ堂 <「二重螺旋」という奇想>
水戸芸術館アートタワー <下から上へ伸びる無限の柱>

「水平の構築」

伊勢神宮 <古殿地という「出来事」>
唐招提寺金堂 <列柱が生む端麗な空間>
三十三間堂 <無限焦点のメガ・ステージ>
西本願寺飛雲閣 <光の海に浮かぶ船>
修学院離宮 上の御茶屋 <雲間に広がる浮遊空間>
代々木オリンピックプール <1964年の「大伽藍」>

 先日「フレームとシークエンス」の項で、隈研吾氏に関して、

(引用開始)

環境を均質なものとしてではなく、「フレームとシークエンス」の連続としてみることで、隈氏は、環境の持つ力をより柔軟に体感できているのだろう。氏の作品には、人工的な縦のヒエラルキー(階層性)とは無縁の、自然や環境と横のつながりを持つ魅力的な建物が多い。

(引用終了)

と書いたけれど、現代日本の「人工的な縦のヒエラルキー(階層性)」を感じさせる建物は、西洋建築の特徴である<壁>を用いたものが多いように思う。

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posted by 茂木賛 at 11:40 | Permalink | Comment(0) | 街づくり

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