ビジネスを経営していて(資金繰り以外で)一番困るのは、人に騙されることだ。商品の競争力不足や市場とのミス・マッチなどは、後でいくらでも修正が効くけれど、人に騙されるとなかなか取り返しがつかない。
前回「母音言語と自他認識」の項で説明した“日本語的発想における「自他認識」の薄弱性”の問題点は、人に騙されやすいことだろう。
「自他認識」の薄弱性は、話し手と聞き手が一体化しやすく「環境や場を守る力」は強いのだが、話し手が環境や場に縛られすぎると、事の本質が見えなくなることが多い。事の本質が見えないと、見せかけの「権威」や「うそ」に騙されやすくなる。
海外にいくと「日本人はお人好しだ」とよく言われる。それは我々が生まれつきそうなのではなく、日本語そのものに「要因」が埋め込まれていると思われる。
見せかけの「権威」や「うそ」に騙されないようにするにはどうしたら良いか。以前「自立と共生」の項で、
(引用開始)
精神的に自立していなければ、すぐに他人に騙されてしまい、経済的自立を保つことが出来ない。
(引用終了)
と書いたけれど、自分で物事の本質を見抜くためには、「精神的自立」がまず必要である。そのためには、自分と相手、さらに周りの状況を客観的に把握できなくてはならない。まさに発想における「自他認識」が必要なのである。
このブログではこれまで、
A Resource Planning−英語的発想−主格中心
B Process Technology−日本語的発想−環境中心
という対比を見てきたが、客観的に状況を把握するためには、環境中心の日本語的発想よりも、自他認識に優れた「主格中心の英語的発想」が必要とされるのだ。
ビジネスにおいて、見せかけの「権威」や「うそ」に騙されないようにするには、環境や場に過度に縛られることなく、全体を俯瞰して「合理的な判断」をしなければならない。そのためにも、自らの「理念(Mission)と目的(Objective)」に基づいて、信頼できる人的ネットワークを築いていっていただきたい。
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