夜間飛行

茂木賛からスモールビジネスを目指す人への熱いメッセージ


赤筋と白筋

2010年10月19日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 先日「解糖系とミトコンドリア系」の項で、人には解糖系とミトコンドリア系という二つのエネルギー生成システムがあるという説を紹介したが、その説によると、人の筋肉にも解糖系とミトコンドリア系があるという。「解糖系とミトコンドリア系」の項で紹介した“やはり、「免疫力」だ!”安保徹著(ワック出版)から、その部分を引用してみよう。

(引用開始)

 私たちの体には約四百種類の骨格筋がありますが、骨格筋は細胞の集合である筋繊維(きんせんい)からできています。この筋繊維には、ミトコンドリアが多い筋繊維と少ない筋繊維があります。
 筋繊維は、その見かけから赤筋と白筋に分けられます。赤筋は赤い筋繊維でできていて、白筋は白い筋繊維でできています。この色の違いはミオグロビン(筋肉中にあって酸素分子を代謝に必要な時まで貯蔵する)という色素タンパクの量の違いによるのです。この酸素を蓄える赤いミオグロビンが多いので赤筋といわれ、赤筋にはミトコンドリアが多く、白筋は逆にミオグロビンが少なくミトコンドリアが少ないのです。
 赤筋は、収縮は遅いのですが、繰り返し収縮しても疲労しにくいという特性を持っているので、遅筋(ちきん)とも呼ばれます。赤筋(=遅筋)は、長い間収縮し続けることができるので、長時間の持続的な運動に適しています。
 それに対して、白筋は速く収縮し発揮する張力も大きいので、速筋(そっきん)と呼ばれます。白筋(=速筋)は、素早く大きな力を発揮することができ、瞬発的な運動を行うときに活躍します。
 百メートル、二百メートルなど短距離走は、ほとんど無呼吸で疾走する瞬発力の世界ですが、そのときに使っている筋肉はミトコンドリアが少ない白筋(=速筋)です。白筋は酸素なしでエネルギーをつくることができる解糖系の細胞です。
 それに対して、ジョギング、マラソンなどの長距離走やバイク漕ぎ、エアロビクスなど持久力を必要とする運動は、有酸素運動といわれます。これらの運動で使うのは、酸素を使うミトコンドリア生成系の赤筋なのです。(中略)
 私たちの体の骨格筋は、ほぼ一対一の割合です。つまり、解糖系の瞬発力とミトコンドリア系の持久力をバランスよく使って、生活しているのです。

(引用終了)
<同書191−192ページ>

 さて、人類は、10万年から20万年前に起こったアフリカの地殻変動によって、アフリカ大陸から出てゆくことになるわけだが、安保教授は、その後の移動距離によって、民族の間で、赤筋と白筋に比率の微妙な偏りが生まれたとのではないかと推察しておられる。“かたよらない生き方 病気にならない免疫生活のススメ”安保徹著(海竜社)から引用しよう。

(引用開始)

 地殻変動後、人間はアフリカを離れていきます。ヨーロッパ、アジア、北米、南米まで放浪の旅に出ました。旅を重ねているうちに、だんだん赤筋が多くなったのです。日本人のように、西欧から見るとFar East(極東)の果ての果てまでたどり着いた民族は、ますます赤筋が優位になって、マラソンのような持久力を必要とする競技が強いのではないかと考えられます。(中略)
 体全体からみれば、解糖系とミトコンドリア系の比率はほぼ一対一となっているけれど、民族によって微妙なかたよりがあります。
 私たちは長い旅をして、極東といわれる、その果てにたどり着いた民族ですから、瞬発力、いいかえれば興奮や怒りよりも、忍耐力の世界で生きるようになったわけです。

(引用終了)
<同書157−161ページ>

 いかがだろう。“ミトコンドリア不老術”日置正人著(幻冬社)によると、老化とは、ミトコンドリアの数の減少によるものとのことである。日本人が長寿なのは、そもそも民族として、ミトコンドリア系に偏っているからなのかもしれない。

TwitterやFacebookもやっています。
こちらにもお気軽にコメントなどお寄せください。

posted by 茂木賛 at 09:19 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

この記事へのコメント

コメントを書く

お名前(必須)

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント(必須)

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

夜間飛行について

運営者茂木賛の写真
スモールビジネス・サポートセンター(通称SBSC)主宰の茂木賛です。世の中には間違った常識がいっぱい転がっています。「夜間飛行」は、私が本当だと思うことを世の常識にとらわれずに書いていきます。共感していただけることなどありましたら、どうぞお気軽にコメントをお寄せください。

Facebookページ:SMR
Twitter:@sanmotegi


アーカイブ

スモールビジネス・サポートセンターのバナー

スモールビジネス・サポートセンター

スモールビジネス・サポートセンター(通称SBSC)は、茂木賛が主宰する、自分の力でスモールビジネスを立ち上げたい人の為の支援サービスです。

茂木賛の小説

僕のH2O

大学生の勉が始めた「まだ名前のついていないこと」って何?

Kindleストア
パブーストア

茂木賛の世界

茂木賛が代表取締役を務めるサンモテギ・リサーチ・インク(通称SMR)が提供する電子書籍コンテンツ・サイト(無償)。
茂木賛が自ら書き下ろす「オリジナル作品集」、古今東西の優れた短編小説を掲載する「短編小説館」、の二つから構成されています。

サンモテギ・リサーチ・インク

Copyright © San Motegi Research Inc. All rights reserved.
Powered by さくらのブログ