“グラスの縁から”東理夫著(ゴマブックス株式会社)という本を読んでいたら、「ザ・ディープ」という映画のことが書いてあった。この本は、
(引用開始)
「リンカーン大統領はバーテンダーだった」
バーに音楽、映画にミステリー。
酒神が演出する名場面で語られる粋な話の数々。
さて、今宵はどれを肴に、一杯飲(や)るとしますか?
おっと、くれぐれも飲みすぎにはご用心ご用心。
(引用終了)
<本の帯より>
ということで、酒に纏わるエピソードがいろいろと集められている。「ザ・ディープ」のことは、ジン・トニックに関連して出てくるのだが、昔フロリダに住んでいたときに観た映画だったので懐かしかった。まず本からその部分を引用してみよう。
(引用開始)
甘くないジン・トニックの究極は、人食い鮫の物語「ジョーズ」を書いたピーター・ベンチリーの「ザ・ディープ」にある。映画は1977年、ジャクリーヌ・ビセットのTシャツ姿の潜水で話題になった。
原作には新婚のジャクリーヌと夫が知り合いのところで、トニック抜きのジン・トニックを飲む。もちろんそれはトニック・ウォーターがなかったからだったのだけれど、二人は文句も言わずただのストレートのジンを飲む。大人の態度と言うべきだろう。(中略)
「ディープ」という映画は、水中のシーンが印象的だった。何度も観たい映画だ。
(引用終了)
<同書125ページより>
「ザ・ディープ」の原作者があの「ジョーズ」も書いていたとは知らなかった。映画は1977年のハリウッド作品で、監督はピーター・イエーツ(Peter Yates)、主演はニック・ノルティ(Nick Nolte)、ジャクリーヌ・ビセット(Jacqueline Bisset)、ロバート・ショー(Robert Shaw)の三人。
映画は、バミューダにハネムーンに来たデイビッド(ニック・ノルティ)とゲイル(ジャクリーヌ・ビセット)が、海中ダイビング中に、第二次大戦中に沈没した貨物船ゴライアス号から、モルヒネのアンプルと古いスペイン硬貨を発見するところから始まる。
二人は、モルヒネを狙うクローシュ一味に襲われながらも、古いスペイン硬貨について、沈没船に詳しいトリース(ロバート・ショー)に教えを請う。トリースの住む灯台で、三人はスペイン硬貨と沈没船の謎を解いていく。すると、沈没した貨物船ゴライアス号の下に、もう一艘、古い船が沈没している可能性を発見する。18世紀のフランスのタバコ船だ。古いスペイン硬貨はその船のものだった。そしてそのタバコ船に、スペイン王の財宝が隠されていたことが分かってくる。
沈没船の財宝探し、”Santa Clara play for us”という謎の文言、エメラルドが象嵌された竜の黄金ペンダント、クローシュ一味との死闘、出没する巨大なウツボ、仕掛けられた爆薬など、手に汗を握るストーリー展開のあと、大団円が待っている。
春の宵、DVDを借りてきて、ジン・トニックでも飲みながら、カリブの海の冒険物語に浸るのはいかがだろう。
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