このブログでは、これからの日本の安定成長時代を代表する産業システムとして、
1. 多品種少量生産
2. 食の地産地消
3. 資源循環
4. 新技術
の四つを挙げてきた。これらの産業システムは、今回「政権交代」により実現した民主党政権が掲げる、「内需主導と環境技術」政策と重なる部分が多い。鳩山首相の所信表明演説からその部分を引用しよう。
(引用開始)
同時に、内需を中心とした安定的な成長を実現することが極めて重要となります。世界最高の低炭素型産業、「緑の産業」を成長の柱として育てあげ、国民生活のあらゆる場面における情報通信技術の利活用の促進や、先端分野における研究開発、人事育成の強化などにより、科学技術の力で世界をリードするとともに、今一度、規制のあり方を全面的に見直し、新たな需要サイクルを創出してまいります。
(引用終了)
<10/27/09 東京新聞より>
「内需を中心とした安定的な成長」を支える産業システムは、国民生活の多様なニーズに応えるという意味で「多品種少量生産」が基本型であり、需給双方を押し上げるという意味で「食料の地産地消」が重要となる。環境政策としての「緑の産業」を支えるシステムは、当然「資源循環型」でなければならず、水の浄化などを生み出す「新技術」がより重要となる。
「内需主導」
1. 多品種少量生産
2. 食の地産地消
「環境技術」
3. 資源循環
4. 新技術
ということで、これらの産業システムが、鳩山政権の政策と呼応しながら、さらに強化されていくことを期待したい。
この「内需主導と環境技術」政策は、21世紀におけるエネルギーが、これまでの化石燃料一辺倒から太陽光熱などへ多様化していくことを背景としている。従って、
1. 多品種少量生産
2. 食の地産地消
3. 資源循環
4. 新技術
の四つは、21世紀型エネルギーそのものを担う重要な産業システムであるとも云えるだろう。
最近、21世紀のエネルギーに関して、“流域思想”というものがあることを知った。“流域思想”とは、山岳と海洋とを繋ぐ河川を中心にその流域を一つの纏まりとして考える発想で、これからの食やエネルギーを考える上で重要なコンセプトの一つだと思われる。上の四つの産業システムは、この大地と海洋とを繋ぐ“流域思想”にこそ相応しいと思う。“流域思想”については、“本質を見抜く力”養老孟司・竹村公太郎共著(PHP新書)や“環境を知るとはどういうことか” 養老孟司・岸由二共著(PHPサイエンス・ワールド新書)などに詳しい。
鳩山首相の所信表明演説には、これ以外にも、「人の笑顔がわが歓び」、「自立と共生」、「新しい公共」、「人間のための経済」、「中小企業重視」などなど、このブログでこれまで書いてきたことと重なる主張や政策が多い。それらについても折を見てコメントしていきたい。
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