去年の7月「集団の時間」のなかで、
(引用開始)
さて、社会問題の多くは、この2種類の時間の混同から起こる。たとえば政治と宗教。政治は自然(t = ∞)の時間には関与できないし、逆に宗教は都市 (t = interest)の時間に関与すべきではない。なぜなら、政治とは人が作り出したシステムであり、宗教とは人知を超えた自然の力の別名だからだ。前者は効率が重要であり、後者は効率とは無関係だ。それを混同し、ある政治体制が永遠に続くと幻想したり、逆に宗教が人間社会すべてに超越すると妄想したりするのは間違っている。
(引用終了)
と書いたけれど、あれから一年、自公体制から民主党主導による政権交代が近づいている。好ましいことだと思う。これまで日本では自民党による一党支配が長く続いてきたが、「ある政治体制が永遠に続く」というのは幻想に過ぎない。
このブログの初回「スモールビジネスの時代」のなかで、
(引用開始)
最近、品質や安全の問題が頻発し、高度成長時代を支えた大量生産・輸送・消費システムが軋みをみせている。大量生産を可能にしたのは、遠くから運ばれる安い原材料と大きな組織だが、多品種少量生産、食品の地産地消、資源循環、新技術といった、安定成長時代の産業システムを牽引するのは、フレキシブルで、判断が早く、地域に密着したスモールビジネスなのではないだろうか。
(引用終了)
と書いたけれど、これからの安定成長時代に求められる政治は、「フレキシブルで、判断が早く、地域に密着した」仕組みをベースにしたものでなければならない。中央集権的な官僚主導の政治は、「高度成長時代を支えた大量生産・輸送・消費システム」には効果があったかもしれないが、これからの社会には相応しくないのである。
政権に就く新しい政治指導者は、情報を公開し、「多品種少量生産、食品の地産地消、資源循環、新技術といった、安定成長時代の産業システム」を政策の基盤に据え、軸がぶれないように心がけながら、効率の良い国家運営を行なってほしいと思う。
この記事へのコメント
コメントを書く