今年のNBA(National Basketball Association)は、ロスアンジェルス・レイカーズ(LA Lakers)が、プレイオフ・ファイナル戦でオーランド・マジック(Orlando Magic)を下し、7年ぶりに優勝した。バスケットボールは私が子どもの頃から親しんできたスポーツであり、レイカーズは昔から好きなチームなので、プレイオフを(TVで)観戦するのは楽しかった。
まずはファイナル戦(4ゲーム先取)の結果から。
[Game 1] Lakers 100 over Magic 75 (6/4/09 at LA)
[Game 2] Lakers 101 over Magic 96 (6/7/09 at LA)
[Game 3] Magic 108 over Lakers 104 (6/9/09 at Orlando)
[Game 4] Lakers 99 over Magic 91 (6/11/09 at Orlando)
[Game 5] Lakers 99 over Magic 86 (6/14/09 at Orlando)
レイカーズは敵地オーランドでの初戦に負けたけれど、そのあと2つ勝って一気に勝負を決めた。オーランドはフロリダ半島の中部にあり、同じフロリダでも、先回書いた「スロッピー・ジョーズ」がある最南端のキー・ウエストとはだいぶ離れている。
両チームの戦力を比べると、ブライアント(K. Bryant)を擁するレイカーズの方に元々分はあったが、プレイオフを最終戦まで勝ち上がってきたマジックも、けっして弱いチームではない筈だ。それでもレイカーズが4対1で勝利した理由は、両チームの司令塔の差ではなかったか。
レイカーズにおいては、コーチのジャクソン(Phil Jackson)とガードのブライアントが、それぞれ「リーダーの役割」をしっかりと果たした。ジャクソンは「ホームズとワトソン」でいうところのホームズ役、ブライアントは現場で活躍するワトソン役でもあった。
一方のマジックにおいては、腕を痛めていた正ガードのネルソン(J. Nelson)がファイナル戦からベンチに戻ったことで、司令塔の役割に関して、スターティング・ガードのオルストン(R. Alston)との間で混乱が見られた。特にゲーム終盤の大事な時に、誰が司令塔なのかはっきりしなかった。これは(ホームズ役である筈の)コーチ・ガンディー(Stan Van Gundy)の責任だろう。
以前「競争か協調か」の中で、
(引用開始)
コーチが大勢の選手の中からベンチに入る選手を選び、さらにその中からスターティング・メンバーを選ぶのは「自由競争」の原理に基づいている。すなわち、人的資源はチーム内の全ての選手たちであり、豊富にあるものの中から「自由競争」の原理でベストなものを選び出すわけだ。場合によってはよそのチームの選手も選ぶ対象になる。一方、実際の試合になると、スターティング・メンバーおよびベンチの選手たちはチームとして団結しなければならない。これが「チームワーク」だ。この場合の目的は試合に勝つことで、人的資源は(スターティング・メンバーとベンチの選手たちだけに)限られるからである。
(引用終了)
と書いたけれど、二人の司令塔がきっちりとリーダーとしての役割を果たしたことで、レイカーズの方が、試合において「チームワーク」に勝っていたのである。
以下、ファイナルを戦った両チームの選手たちを、それぞれポジション別に紹介しておこう。
Lakers Starters
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[Guard] D. Fisher
[Guard] K. Bryant
[Forward] T. Ariza
[Forward] P. Gasol
[Center] A. Bynum
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Reserves
[Guard] J. Farmar
[Guard] S. Vujacic
[Guard] S. Brown
[Forward] L. Odom
[Forward] L. Walton
[Forward] J. Powell
[Center] DJ. Mbenga
Magic Starters
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[Guard] R. Alston
[Guard] C. lee
[Forward] H. Turkoglu
[Forward] R. Lewis
[Center] D. Howard
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Reserves
[Guard] J. Nelson
[Guard] JJ. Redick
[Guard] A. Johnson
[Forward] A. Foyle
[Forward] M. Pietrus
[Forward] M. Gortat
[Center] T. Battie
レイカーズは、スターティング・メンバー(Starters)としても充分通用するオドム(L. Odom)を、ベンチ(Reserves)に擁していたのも大きかった。
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