去年の末「思考の軸」の項で、判断を下す際の見方(主義)について書いたが、今回はその前段階に必要な「事実把握」のステップについて書いてみたい。
(1)情報を収集する
これは言うまでもないが、大切なのは様々なソースから情報を得ること。新聞・テレビからだけでは偏った情報しか得られない。「物事の表と裏」の項で指摘したように、物事には表と裏、そして奥が存在するから、常にアンテナを張り巡らせて、SNSなどの中からこれはと思う情報を引き出す。英語(外国語)で情報を得る。現場の声に耳を傾ける。関連する本を読む。人や組織のことであれば金(かね)の出所を探る。何かを隠すために情報が流されていないかについて注意する。
(2) 集めた情報を時系列に並べる
出来事は場所(place)で起こる。人の一生、台風の発生、火事や事件、出会い、健康、歴史、商品、競争、会社、法律、国家等々、把握したい事柄が何であれ、それがフィクションやAIでない限り、出来事には場所が関係している。「空間(space)と場所(place)」の項でみたように、場所は時間と共にあるから、集めた情報は時系列に並べることが出来る。地層と同じで過去の上に現在があるわけだ。出来事が市場規模の変化や川の流量などの数量的なものであればグラフにして見やすくする。
(3)不自然な変化がないか精査する
情報を時系列に並べてみると、出来事の生成から今に至る流れが見えて来る。過去の出来事であれば消滅とその余波も。流れに急激な変化(spike)があればその理由を探る。誇張や嘘を見つける。ビジネスでも過去に変な取引がないかどうか「check their track record」などといって交渉相手の履歴を調べることがよくある。非線形的な変化にも留意する。最終的には、出来事の脈絡(物事の一貫したつながり)が見えるようにするということだ。
(4)突発的な出来事への対処
過去となんの脈絡もない出来事に遭遇したらどうするか。即対応しなければならないことでなければ、暫定扱いとして続報を待つのが良い。そのまましばらく「寝かせておく」わけだ。即対応が必要な場合は直感で動くしかないが、出来るだけそういう場面に遭遇しないよう日頃から様々な分野の知識を蓄えておくことが大事。
(5)全体を俯瞰して結論を導く
その際「認知の歪み」に陥らないように。短絡的に結論を急がないこと。事態は常に変化するから、出した結論はあくまでもその時点での仮説として認識しておくこと。
ここまでが事実把握のステップで、このあとは、
(6)「思考の軸」に沿って対応を決める(Plan)
「理想主義」:日頃持っている「理想」に基づいて物事を判断する
「ロマン主義」:自分が持つロマン(夢)に沿って判断する
「現実主義」:目の前にある「現実」に照らし合わせて判断する
「損得主義」:自分にとって(あるいは人にとって)損か得かで判断する
(7)判断したことを実行に移す(Do)
判断によっては動かないことも「実行」の一つ。
(8)結果を見て過ちがあれば修正する(See)
という流れになる。過ちの原因が「事実把握」にあることが分かれば、再びステップ(1)に戻る。
以上、事実把握の原則について書いてみた。今の時代、(4)の出来事が多いと思うが、時間をかけてより真実に近づいていただきたい。







この記事へのコメント
コメントを書く