我々は事に当たり、いくつかの見方(主義)をベースに発想し、様々検討を加えた上で判断を下す。その見方をここでは以下の四つに分類したい。
「理想主義」:日頃持っている「理想」に基づいて物事を判断する
「ロマン主義」:自分が持つロマン(夢)に沿って判断する
「現実主義」:目の前にある「現実」に照らし合わせて判断する
「損得主義」:自分にとって(あるいは人にとって)損か得かで判断する
人は、理想がなければ生きる目標はないし、ロマンがなければ人生つまらない。しかし、現実をみなければ生き延びられないし、ときに損得を考える必要もある。それが大人のコモンセンス(社会生活上誰もが知っている共通の認識、思慮、分別、良識など倫理的な事柄)だと思う。
この四つの主義、「理想主義」の反対は「損得主義」、「現実主義」の反対は「ロマン主義」と考えられるから、
【図1】
という構図を描くことが出来る。これを「思考の軸」と呼ぼう。複眼主義のA側、B側でいえば、十字の左側はA側主導、右側はB側主導の発想といえるだろう。複眼主義の生産と消費論でいえば、十字の上側は生産(他人のための行為)的発想、下側は消費(自分のための行為)的発想といえるかもしれない。
あなたは、様々な事(買い物、政治談議、結婚、子育て、仕事、旅行など)に当り、これらのうちどの発想を主に選んでいるだろうか。この構図を使って、自分のAB偏重具合、人格性向を知り、「事に当たって相応しい発想を選ぶ」力を養っていただきたい。
またこの構図、
【図2】
と書き入れると、それぞれの主義の間にさらに四つの中間的な象限が見えて来る。それぞれの象限は、
@ 理想主義ではあるが、現実を見極める力もある
A 理想主義であり、同時にロマンを追い求める
B 現実を見極めながら、損得を第一に考える
C ロマンを追い求めながら、損得を忘れない
ということで、この図表は、どの象限に言動が最も頻繁にヒットするかで、その人の人物評価に使うこともできる。それぞれの象限に応じて思いつく典型的なprofessionとしては、
@ 志のある政治家
A 芸術家
B 政商
C ギャンブラー
といったところか。もしあなたの言動がBかCばかりヒットするようであれば、コモンセンスに照らして、すこし生き方を改めたほうがいいかもしれない。ここまで書いて「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格はない」という例のフィリップ・マーロウの台詞を思い出したが、「タフさ」とはBとC、「優しさ」とは@とA、と考えれば、この構図、マーロウの台詞とも辻褄が合うように思うがいかがだろう。







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