このブログを読みに来てくれる人には、ミステリー好きの方も多いだろう。私も数々愉しんでいる。先日は「“世間”の研究」の項で、横山秀夫氏の作品を紹介した。最近嵌っているのは、ロンドンを舞台にしたミステリー。ご存じアンソニー・ホロヴィッツや、新鋭アリスン・モントクレアなどの作品だ。
ロンドン市街地図を片手に、主人公たちが出没する場所を探しながら読み進める。さらには『地球の歩き方Plat〈04〉ロンドン』(ダイヤモンド社)などを読んで街の様子を知る。ハムステッド、ウエスト・エンド、ケンジントン周辺、ハイド・パーク周辺、ショーディッチ、サザーク、チェルシー、ノッティング・ヒルなどなど。時には(英国に因んで)紅茶とスコーンを食しながら読む。こういったやり方を「紙上旅行読書法」と名付けたい。
アンソニー・ホロヴィッツ著『カササギ殺人事件(上)』(創元推理文庫・初版9/28/2018)は、1955年が主な舞台。『カササギ殺人事件(下)』(創元推理文庫・初版9/28/2018)は現代が舞台。この小説は一粒で二度おいしい出来に仕上がっている。
アリスン・モントクレア著『ロンドン謎解き結婚相談所』(創元推理文庫・初版2/12/2021)の舞台は1946年のロンドン。戦後の荒廃した街の様子が興味深く描かれている。
ホロヴィッツの『メインテーマは殺人』(創元推理文庫・初版9/27/2019)と
『その裁きは死』(創元推理文庫・初版9/11/2020)は共に現代が舞台。市街を飛び回る作者自身と探偵ホーソーンの二人が生き生きとしていて面白い。
同じく彼の『シャーロック・ホームズ 絹の家』(角川文庫・初版10/25/2015)と『モリアーティ』(角川文庫・初版4/25/2018)は、ヴィクトリア朝時代のロンドンが舞台。『ホームズのヴィクトリア朝ロンドン案内』小林司/東山あかね共著(とんぼの本・新潮社)などを引っ張り出して当時の街の姿を眺める。中心地の街路は昔からあまり変わっていないから今との比較もできる。
『その裁きは死』の帯裏に、<『カササギ殺人事件』の続編、Moonflower Murders 2021刊行決定!>とあり、『ロンドン謎解き結婚相談所』の帯裏に、<2021年秋、次作A Royal Affair 翻訳刊行!>とある。紙上旅行の続きを楽しみにしたい。
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