黒川伊保子さんの『「ぐずぐず脳」をきっぱり直す!人生を変える7日間プログラム』(集英社)という本が出た。彼女の語感分析法ついては最近「タノシイとウレシイ」の項で書いたが、こちらは、黒川さんの人工知能/脳科学コメンテーターとしての書だ。本帯(表紙及び裏表紙)と本カバー表紙裏には、
(引用開始)
脳を活性化する16のこと
「なんだか、さえない」「毎日、楽しくない」「人生、イケてない」「最近、モテない」……それは、あなたのせいではなく、「ぐずぐず脳」のせいだった!
治すのは、意外と簡単。この本は、そんなジリ貧状態から抜け出すための、「脳のメンテナンス」の指南書である。
「ぐずぐず脳」でくよくよ考えるのは、もうやめよう。脳を活性化するのに、頑張りも、反省も必要ない。食べ方や眠り方、ちょっとした身体や言葉の使い方――、そんなさりげない生活習慣こそが、脳を劇的に変えるのである。
脳のちからは、頑張って出す精神力じゃない。いくつかのホルモンによってもたらされる、れっきとした機能なのである。それらのホルモンが出ていれば、精神力は強く保たれる。好奇心は勝手に湧いて止まらない。朝起きたら、今日もいいことがありそうな気がするはずなのだ。誰にほめてもらえなくたってめげないし、意欲は一秒たりとも萎えたりしない。そしてそホルモンは、生活習慣さえ変えれば、何歳からだって増やせるのである。
(引用終了)
とある。
黒川さんの脳科学の所見ついては、これまで「男性性と女性性」「現場のビジネス英語“sleep on it”」「流行について」の各項で紹介してきたが、この本はそれらを体系的に纏めたもの。「脳と身体」のバランスの大切さを考える上で奥深い内容となっている。目次から項目を抜き書きしよう。
第一章:脳の取り扱い説明書
まず、脳に良いこと、悪いことの基本を知る
脳のトリセツ@ 脳は、光の強弱に支配されてホルモンを分泌する
脳のトリセツA 脳は、眠っている間に進化する
脳のトリセツB 脳にとってなによりも怖いのは、「血糖値の乱高下」
脳のトリセツC 脳は「いつも使う回路で」で世の中を認知する
脳のトリセツD 脳神経回路のほとんどは、無意識の領域で使われている
脳のトリセツE 有酸素運動、泣くこと、笑うことは、脳神経に良い効果がある
脳のトリセツF 脳には、「7日一巡感」がある
第二章:7日間プログラム
さりげない生活習慣こそが、脳を劇的に変える
Program 1 夜のてっぺん(午前0時)は寝て過ごす
Program 2 朝、5時45分に起きる
Program 3 寝る前の甘いもの、アルコールをやめる
Program 4 朝の卵は金
Program 5 足裏を磨く
Program 6 ひとり活動をしてみよう(一日1時間、孤高の時間を持つ)
Program 7 ブレーキ言葉を使わない
Program 8 人をとやかく言わない
Program 9 人にとやかく言われよう
第三章:7日間の中で、トライしてみよう
ネガティブな「思い癖」をブロックする
Program 10 くよくよしたら、とにかく寝てしまう
Program 11 身体を動かす
Program 12 ときどき後ろ向きで歩いてみる
Program 13 ダンスか外国語か楽器を習ってみる
Program 14 自分にしか話せない得意分野をつくる
Program 15 口に出して言ってみよう
Program 16 最終目標はハグ。自分も相手も抱きしめよう
詳細は本書をお読みいただきたいが、脳と身体のバランスに大切なことばかり。若い読者向けの人生指南書という体裁ではあるが、起業家の皆さんにもお勧めしたい。参考にすべき習慣が見つかると思う。
尚、ホルモンの働き、腸内環境の大切さについては、このブログでも「神経伝達物質とホルモン」「脳腸バランス」の項などで書いてきた。併せてお読みいただきたい。
思えば「脳と身体」の項を書いたのは2008年9月のこと。あれから早8年が経った。このブログを始めたのは2007年12月、今から9年前のことだ。光陰矢の如し。この本にある7日間一巡感ではないが、7年間一巡感を過ぎ、そろそろブログに幕を下ろす時期かもしれない。
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