「皆と同じ」から「それぞれのこだわり」へ、という21世紀のトレンドについて、クラフトビール(小規模のローカルな醸造所で職人がこだわりをもって造るビール)を例に「ビール経済学」を書いたのは、今から2年前(2014年9月)のこと。その後も、このトレンド「モノコト・シフト」を背景に、クラフトビールは特に先進国で順調に売り上げを伸ばしているようだ。
今年の7月に出版された『日本クラフトビール紀行』友清哲著(イースト新書Q)は、そういったクラフトビールの醸造所(ブルワリー)や酒店を日本各地に訪ねる本だ。カバー裏表紙の紹介文を引用しよう。
(引用開始)
クラフトビールの登場により、ビールは「とりあえず」で注文するものから、メニューを熟読して好みの銘柄を選択するものへと変わりました。本書は、日本全国、北は北海道から南は沖縄まで、15のブルワリーを巡って出会ったビールの物語。背景を知ることでビールはより一層旨くなり、また、訪れた旅先の景色を楽しむように土地のビールを堪能することは、現代ならではの醍醐味と言えるのではないでしょうか。ビール党も、そうでない人も、最高の一杯と出会う旅に出ましょう。
(引用終了)
ということで、同書には以下のブルワリーや酒店が登場する。クラフトビール製造は、1994年の酒税法改正によって可能になった事業だからまだ日が浅く、その分若い人の起業が目立つ。
● 神奈川県厚木市・サンクトガーレン有限会社
● 滋賀県長浜市・長濱浪漫ビール株式会社
● 岡山県岡山市・宮下酒造株式会社
● 北海道江別市・SOCブルーイング株式会社
● 東京都品川区・品川懸株式会社
● 福島県いわき市・浜田屋本店
● 青森県南津軽郡・そうま屋米酒店
● 京都市左京区・一乗寺ブリュワリー
● 静岡県伊豆の国市・株式会社蔵屋鳴沢
● 北海道小樽市・小樽倉庫No.1
● 東京都墨田区・ミヤタビール
● 東京都西多摩郡・VERTERE
● 沖縄県沖縄市・コザ麦酒工房
● 沖縄県南城市・株式会社南都
● 沖縄県名護市・ヘリオス酒造株式会社
● 埼玉県飯能市・株式会社FAR EAST
何処にもユニークな経営者がいて、それぞれの起業物語を持っている。分野は違っても、起業の際の参考になると思うので一読をお勧めしたい。
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