このブログでは最近ここまで、『和の国富論』藻谷浩介著(新潮社)に拠って、
「里山システムと国づくり III」
「個業の時代」
「営業生活権」
「日本流ディベート」
さらに加えて『宗教消滅』島田裕巳著(SB新書)と『芸術立国論』平田オリザ著(集英社新書)、『下り坂をそろそろと下りる』平田オリザ著(講談社現代新書)によって、
「宗教から芸術へ」
「庭園・芸術都市」
と書き進めてきた。これらの話を総括するような宣言(Statement)が『和の国富論』の中にある。今回は(これらの項の)中締めとして、藻谷氏のその文章を引用しておきたい。
(引用開始)
採算性を追求する事業マインドと、公益を追求するパブリックマインドと、美を追求する感性。これらが別々に存在していたのが日本の二〇世紀後半であるとすれば、共にあるのが二一世紀だろう。
生産者と、流通業者と、消費者。生産地と、流通市場と消費地。彼らが分立していたのが日本の二〇世紀後半であるとすれば、消費者が生産者となり、消費地が生産地となって融合していくのが二一世紀だろう。
コンテンツがあって立地条件が良ければ事業が成り立ったのが日本の二〇世紀後半であるとすれば、コンテンツも立地条件もそれを活かす経営人材次第というのが二一世紀だろう。
生業にいそしむ自営業者と、雇用を与えられたサラリーマン。生業が年々破壊される中「雇用される権利」が強調されたのが日本の二〇世紀後半であるとすれば、雇用が破壊される中で「営業生活権」が再発見されるのが二一世紀だろう。
(引用終了)
<同書 84ページ>
21世紀日本の(一味違う)豊かさと楽しさはここにあると強く思う。皆さんはいかがだろう。
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