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山岳信仰

2015年07月01日 [ 街づくり ]@sanmotegiをフォローする

 前回「自然の捉え方」の項で、日本人は、自然と対峙するのではなく、手入れをしながら共生する道を選んできたことを論じたが、生き方の背景にある信仰もまた、日本人の場合、自然崇拝という形をとる。日本列島は国土の七割から八割を山が占める。だから日本の自然崇拝は、山岳信仰と重なる。最近この山岳信仰について、『山岳信仰』鈴木正崇著(中公新書)という題名もそのものずばりの本が出たので紹介しておきたい。本のカバー裏の紹介文を引用しよう。

(引用開始)

 出羽三山、大峰山、英彦山の三大霊場をはじめ、富士山、死者の魂が赴く立山と恐山、御座の木曽御嶽山、鎖禅定の石鎚山――。個性豊な山々に恵まれた日本人の精神文化の根底には、山への畏敬の念が息づく。本書は山岳信仰の歴史をたどりつつ、修験道の成立と展開、登拝の民衆化と女人禁制を解説。さらに八つの霊山の信仰と祭祀、神仏分離後の状況までを精解する。長年、山岳修験研究に携わってきた著者による決定版。

(引用終了)
<フリガナは省略>

副題に「日本文化の根底を探る」とあるが、この本は日本人の山岳信仰の歴史としきたりを詳細に記録した労作だ。新聞の紹介文も二つ載せておこう。

(引用開始)

 山は日本の風土と日本人の生活の根源をなすとともに、畏怖心から信仰の対象ともなった。山岳で修行した者が霊力をつけ里人を救う修験道はそんな自然を背景に生まれた。出羽三山、大峰山、富士山、恐山、御嶽山など八つの霊山を取り上げ、山岳信仰の歴史や、巫女や即身仏、講や曼荼羅など信仰の諸相を紹介し、山をめぐる想像力のありようを探る。<東京新聞 4/26/2015>

 副題<日本文化の根底を探る>。古代の他界観や近世の死者供養のありようを反映する山岳信仰は、民衆世界と深いつながりを持ってきた。明治維新の神仏分離で断絶した修験道も、現在は各地で復興が続いている。出羽三山、大峰山、英彦山、富士山、木曽御嶽山など八つの霊山をとりあげて、伝承と歴史を概説する。<朝日新聞 5/3/2015>

(引用終了)
<フリガナは省略>

 著者の言葉も一部引用しておきたい。

(引用開始)

 日本では超越的な神観念は風土になじまず、複雑な教理や煩瑣な哲学は発達しなかった。つねに体験知の具体的な世界を通して、見えない世界との交流が図られ想像力を飛翔させた。その中でも身近な山が重要な役割を果たしてきた。その根底にあるのは「山川草木すべてものいう」の世界であり、あらゆるものがいのちや霊魂を持つという認識である。宗教学者はこれをアニミズム(animism)と呼んできた。しかし、西欧由来の狭い学問定義では、日本の長い歴史の中で生成されてきた融合と混淆の複雑性は捉えきれない。

(引用終了)
<同書 9ページ(フリガナ省略)>

日本列島の男性性思考が、抽象的な高みに飛翔し続けるよりも具体的な場所性を帯びることは、先日『百花深処』<修験道について>の項で敷衍したばかり。こちらも併せてお読みいただきたい。

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posted by 茂木賛 at 13:14 | Permalink | Comment(0) | 街づくり

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