夜間飛行

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北陸旅行

2022年06月05日 [ アート&レジャー ]@sanmotegiをフォローする

 先日来Twitterにアップしてきた北陸旅行に関する記事を、備忘録的にこちらにも載せておこう。今回の旅行は好天にも恵まれ、特に記憶に残るものとなった。

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北陸を旅行してきた。前回は金沢(2014)、今回は高山と能登半島を車で。天気も良く景色、宿、食事を堪能した。最近日本海側に魅かれる。以前書いたブログ記事「日本海側の魅力」はこちらからどうぞ。

能登半島@和倉温泉泊。翌日能登島から海沿いを北上し、九十九湾から飛騨山脈の眺望を楽しむ。珠洲を経て半島先端の禄剛崎灯台へ。そのあと海沿いを南下して映画「さいはてにて」のロケ地木ノ浦海岸へ。映画は永作博美主演の素敵な作品。その評論記事「女性による父性代行」はこちらから。

能登半島A木ノ浦海岸には映画でも使われた小さなカフェがあったという(いまあるカフェとは違うようだが)。安曇野の「ギャラリー・シュタイネ」では、そこで焙煎された豆を使って美味しい珈琲を淹れてくれていた。ご主人と映画の話をしていたときにお聴きした話。

能登半島B車の場合、能登半島・富山から松本・安曇野へは飛騨街道を南下して乗鞍岳と穂高岳の間にある安房トンネルを抜けるのが早い。今回の旅で帰路に利用した。安曇野ギャラリー・シュタイネでインスピレーションを得た小説「あなたの中にあなたはいない」はこちらからどうぞ。

能登半島C木ノ浦海岸から輪島方面へ。途中海岸沿いに連なる千枚田を見る。ねぶた温泉泊。沖合に遠く七ツ島が見える。予約顧客特典で旅館から輪島塗のお箸を頂く。翌朝輪島市の中心部を抜けて海岸沿いを南下。途中板壁と黒瓦の街並みを縫うように走る。昼頃羽咋市の氣多大社に到着。

能登半島D以前紹介した『古代史の謎は「海路」で解ける』長野正孝著(PHP文庫)には、能登一の宮・氣多大社(本殿の神は大己貴命)は、倭の五王の時代、出雲から丹後半島沖を経由して敦賀を漕ぎ進み羽咋海岸に到着した、交易舟の宿場だった筈とある(出雲神話に出てくる北門)。

能登半島E同書によると、当時邑知潟は10キロメートルほど深く湾入していて、潟が切れた場所から七尾市まで舟をひく陸路が整備されていた筈という。これにより羽咋に到着した舟は、能登半島をぐるりと回らずとも富山湾に出ることができた。そこからさらに富山、東北方面へ向けて交易舟が出発した。

能登半島F「能登半島の古代の海岸線と横断運河」地図(137ページ)に基づいて、氣多大社から2号線を七尾方面に向かう。右手は昔いかにも入江だったと思しき風景が続く。氣多大社のパンフレットによると、今でも三月には、七尾市所口町にある気多本宮まで、神輿が渡御する大規模な神幸祭があるという。

能登半島G2号線を七尾方面に向かう途中、史跡・雨の宮古墳群を見学。パンフレットによると、36基からなる古墳群は眉丈山(標高188m)の山頂を中心に、4世紀中ごろから5世紀初めにかけて作られた。1号墳は全長64mの前方後方墳で県内最大の規模、2号墳は全長65.5mの前方後円墳。それ以外は円墳。

能登半島H4世紀中ごろから5世紀といえば倭の五王の時代。以前紹介したブログ記事「古代史の表と裏 III」の古墳時代前期(250AC~400AC)と古墳時代中期(400AC~500AC)に当る。

能登半島I1号墳と2号墳は前方部を向かい合わせるように位置しており、ともに墳丘は2段に築かれ表面は葺石に覆われている。1号墳の埋葬施設からは銅鏡や短甲や腕飾りなど豊富な副葬品が出土した。2号墳は未調査。1号墳の上から南方向を眺めると昔入江だったと思しき風景が一望できる。

能登半島J「能登半島の古代の海岸線と横断運河」地図を見ると、この山頂古墳群は羽咋海岸から湾入した邑知潟の最深部に位置する。古墳は墓としてだけでなく、行き来する舟をガイドする灯台の役割、舟乗りたちの饗応の場などとして活用されていたのではないだろうか。

能登半島K古墳の足元に、天日陰比羽盗_社の小さな洞を見つけた。今神社そのものは古墳から離れた旧潟の南側にある。『古代史の謎は「海路」で解ける』に、「近世において潟の北側から移された能登国二宮天日陰比羽盗_社」(137ページ)とあるから、当時神社はこの山頂付近にあったのだろうか。

能登半島L神社の主祭神は天日陰比羽淘蜷_、屋船久久能智命、大己貴命、そして応神天皇。屋船久久能智命は木材と船の神。交易する舟と関係が深そうだ。山頂に築かれた大きな古墳、これだけの構造物を古代人が墓としてしか利用しなかったと考えるのは想像力が足りないと思う。

能登半M倭の五王については、2018年に出た『倭の五王』河内春人著(中公新書)が良書。著者は1970年生まれ。「倭王武は雄略天皇のことである」といった日本書紀偏重の史観から離れ、大陸と半島の歴史を丁寧に辿り列島の王たちの動きを推察する。『古代史の謎は「海路」で解ける』の内容とも整合する。

能登半島N七尾市に戻り石川県七尾美術館で「長谷川等伯展」を観る。等伯は桃山時代に活躍した七尾出身の画家。副題は「水墨・濃淡の妙vs着色・彩りの美」。水墨画では「松竹図屏風」、着色画では「四季花鳥図屏風」等。個人的には風に靡く柳の枝を軽快に描いた「四季柳図屏風」(右隻)が気に入った。

能登半島O今回は訪れることができなかったが、『イングリッシュハーブガーデン』(八坂書房)の著者横明美さんの素敵なコッテージガーデンが能登半島・穴水町鹿波にあるという。横さんはハーブス庭園史研究家。イギリスに庭園留学し、英国の庭園史やハーブガーデンに詳しい。

能登半島P横明美さんの『旅するイングリッシュガーデン 図説英国庭園史』(八坂書房)は400点もの美しい写真と絵画が載った魅力的な本。同書を参照させて貰ったブログ記事「ラファエル前派の絵画」はこちらからどうぞ。

富山@七尾市から湾沿いを走って富山市内泊。家内の父方の曽祖父が同市千石町の出ということで市内各所を歩く。曽祖父は明治のころ東京へ出てきたから当地の縁者等はわからない。千石町は市の中心部にある城址公園の南側にあった。街は緑が多く路面電車が四通していてとても暮らしやすそう。

富山A神通川沿いを南下して神通峡春日温泉泊。途中「おわら風の盆」で有名な八尾町へ寄った。八尾旧町は江戸時代から続く町人文化の町。曳山展示館で豪華な曳山三基、盆踊りのビデオなどを見学。蕎麦屋でざるそばを食した後、日本の道百選にも選ばれたという諏訪町通りを散策。

富山Bおわら風の盆は毎年9月1日から三日間行われる。「日本海側の魅力」の項で紹介した『裏が、幸せ。』酒井順子著(小学館)には、元禄時代に端を発する盂蘭盆会の行事だが、台風の頃に風を鎮める祈りを込めて行われることから「風の盆」と言われるようになったとある。

富山C神通峡春日温泉のホテルは建築家・内藤廣氏の設計。泊まった部屋は色調が上品な「イギリスの間」。館内の露天風呂からは神通峡のゆったりと流れる碧の川を眺めることが出来る。食事はレストラン「レヴォ」にて。同ホテルは『感動の温泉宿100』石井宏子著(文春新書)77ページに紹介文あり。

富山D同書には「この宿に滞在することはすべてがアートだ。建築家・内藤廣氏はリトリートであることにこだわって設計した。斬新な発想も取り入れた空間は挑戦的であるが、すっきりとしていて癒される。一つとして同じ部屋がないのも泊まる愉しみが増える」とある。

富山E内藤廣氏は早世した瀧脇庸一郎氏と早稲田大学理工学部建築科の同期。瀧脇氏は武蔵高校のバスケット部で私の一年先輩、惜しくも1993年腰肉腫で亡くなった(42歳)。切れ味の良いドリブルと正確なシュートが持ち味だった。内藤氏が彼と同期だったことは瀧脇氏への『追悼文集』の文章で知った。

新潟@東京から富山に向かう途中、妙高高原のホテルに一泊した。ここも『感動の温泉宿100』(18ページ)に紹介文あり。この場所から眺める絶景について「正面には斑尾(まだらお)山を中心に連なる山々、右手には神秘的な野尻湖や黒姫山、左は遥か遠くの佐渡島まで見渡せる」とある。

新潟A妙高のホテルから眺めた山や高原での記憶が蘇る。以前斑尾(まだらお)山で過ごした週末について書いたブログ記事「贅沢な週末」はこちらからどうぞ。
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以上、今回は5/8/2022から5/13/2022まで、五泊六日の旅だった。

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posted by 茂木賛 at 09:40 | Permalink | Comment(0) | アート&レジャー

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