夜間飛行

茂木賛からスモールビジネスを目指す人への熱いメッセージ


プレートテクトニクス

2018年12月30日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 『日本列島の下では何が起きているのか』中島淳一著(講談社ブルーバックス)を読む。副題は「列島誕生から地震・火山噴火のメカニズムまで」。本カバー裏表紙の紹介文には、

(引用開始)

地球深部から始まる
日本列島の変動を徹底解説!

私たちが住む日本列島の下には、
2つの海洋プレートが沈み込んでいる。
プレートの沈み込みは、列島を形成し、
地震と火山噴火をもたらす原動力として働いている。
沈み込んだプレートは地球深部でどうなっているか?
地球深部の現象と地震・火山噴火はどう結びつくのか?
すべての鍵を解くカギは
プレートとともに沈み込んだ「水」が握っていた!

(引用終了)

とある。本書のPrologueと10のChapterは以下の通り。

Prologue  沈み込み帯に生まれて
Chapter 01 プレートテクトニクス入門
Chapter 02 地球内部を視る方法
Chapter 03 日本列島ができるまで
Chapter 04 日本列島の下には何があるか?
Chapter 05 プレートの沈み込みと水
Chapter 06 プレート収束境界で何が起こっているか?
Chapter 07 沈み込むプレート内で何が起こっているか?
Chapter 08 火山の下で何が起こっているか?
Chapter 09 内陸地殻で何が起こっているか?
Chapter 10 関東地方の地下で何が起こっているか?

 地球は表面から中心に向かって、地殻・マントル・核の3層からなっており、地殻とマントル最上部をふくむ温度が低く硬い岩盤領域をリソスフィア(岩石圏)、その下の温度が高く流動性に富む領域をアセノスフィア(岩流圏)、それより深いマントル領域をメソスフィアと呼ぶ。

 プレートテクトニクスの基本概念は、「地球の表面は何枚かの硬いリソスフィアであるプレートで覆われており、プレートはやわらかいアセノスフィアの上を運動している。地表のおもな地学現象は、あるプレートと別のプレートが接する場所(プレート境界)で起こる」(本書18ページ)というもの。

 プレートには、大陸プレートと海洋プレートとがある。「3つの石」の項で見たように、大陸プレートは主に花崗岩、海洋プレートは主に玄武岩、マントルは主に橄欖岩からできている。大陸プレートの方が海洋プレートよりも平均で厚く、花崗岩の方が玄武岩・橄欖岩よりも密度が低いから、大陸プレートと海洋プレートが接する境界では、後者が前者の下に沈み込む。2つの大陸プレートと2つの海洋プレートとがせめぎ合う日本列島の周辺には、かくて、多くの沈み込み帯が形成される。

 本書は、プレートテクトニクス理論に基づき順を追って地殻・マントルの動きを説明してあるので理解しやすい。トランスフォーム断層、アイソスタシー、地震波トモグラフィ、アウターライズ、熱クラック、付加体、ソリダスとリキダス、アスペリティ、スロースリップ、二重深発地震面、マントルウエッジ、加水融解、モホロビチッチ不連続面(モホ面)といった言葉もどうにか覚えた。

 今、さらに『日本列島100万年史』山崎晴夫・久保純子共著や『フォッサマグナ』藤岡換太郎著(どちらも本書と同じ講談社ブルーバックス)を読んで、日本列島の生い立ちや組成、地震予知などに関する理解を深めようとしているところだ。4つのプレートがせめぎ合うこの列島周辺、房総半島南東沖には、3つのプレートが交わる三重会合点もあるという。

 以前「気象学について」の項で、気象学や免疫学は複雑系科学の宝庫であり、それらは社会現象の分析にも応用できそうだと書いたけれど、プレートテクトニクスでいう様々な現象も同様に思える。トランスフォーム断層、アイソスタシー、付加体、アスペリティ、スロースリップなどなど。こちらもさらに考えを進めたい。

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posted by 茂木賛 at 12:46 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

Merry Christmas!

2018年12月19日 [ アート&レジャー ]@sanmotegiをフォローする

 友人(K-Kodama君)とのバンド「HUSHBYRD」のサイトに、2018年クリスマスのための新曲をアップしたのでお聴きください。

 曲名は「Red Umbrella」。雪のクリスマス・イヴに、サンタを待つ少女が赤い傘を(サンタに)プレゼントする情景を歌ったもの。歌詞の1番と2番は少女の側から、3番はサンタの側からの台詞、そしてエンディングはサンタと少女との掛け合いとなる。街にしんしんと降り積もる雪の描写も。

その前の曲「Song Of Rain」も紹介しておこう。場所はロンドンの風情。雨が降っている。過去を懐かしむ女性に、男がやさしく歌いかける。男の職業は樹木医(見習い)で、以前、公園で木の梢を寂しげに見上げるその女性と知り合った。雨のしずくを表すピアノの音が印象的。歌とともに風が吹き、雨が上がると陽が差し込んでくる。ビートルズの「She’s Leaving Home」の後日談として聴いていただくのも良いかと。

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posted by 茂木賛 at 10:59 | Permalink | Comment(0) | アート&レジャー

発酵食品

2018年12月16日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 『日本の伝統 発酵の科学』中島春紫著(講談社ブルーバックス)を有意義に感じながら読んだ。副題は“微生物が生み出す「旨さ」の秘密”。味噌や醤油、ヨーグルトやチーズといった発酵食品に関して、一度、その定義や意義、微生物の分類、発酵の種類などを整理しておきたいと考えていたので、よい機会だから、当書をテキストに以下纏めておきたい。

<発酵とは>

学術的定義:「微生物が有機物を嫌気的に分解してエネルギーを得る反応」
例)乳酸発酵、アルコール発酵
実用上定義:「酸素を必要とする微生物が利用される工程も発酵と呼ぶ」
例)クエン酸発酵、酢酸発酵

<発酵食品の意義>

(1)保存性を良くする
食品のpHを低下させることにより雑菌の繁殖を抑える
(2)旨味を引き出す(甘味、酸味、苦みも)
タンパク質を分解して生成するアミノ酸混合物からは総じて旨味が感じられる
(3)栄養吸収を助ける
微生物の作用により難分解性のタンパク質を分解して吸収消化を良くする

<微生物分類 I>

嫌気性菌:乳酸菌、酵母等
好気性菌:納豆菌、酢酸菌、麹菌(カビ)等

<微生物分類 II>

細菌(単細胞):乳酸菌、納豆菌等
菌類(多細胞):麹菌、酵母(生活環の大部分を単細胞で過ごす)等

<発酵に関わる主な官能基>

1.ヒドロキシル基(−OH):水溶性、中性、〔甘味〕
2.アミノ基(−NH2):水溶性、塩基性、〔旨味〕
3.カルボキシル基(−COOH):水溶性、酸性、〔酸味〕

<発酵の(成果物による)種類>

@ 乳酸発酵:乳酸菌による糖の分解
A アルコール発酵:酵母による糖の分解
B クエン酸発酵:黒カビによる糖の分解
C 酢酸発酵:酢酸菌によるアルコールの分解
D アミノ酸発酵:納豆菌等によるタンパク質の分解
E 他

<発酵食品・飲物・調味料:活躍する微生物>

〇 納豆:納豆菌
〇 味噌:麹菌・酵母・乳酸菌
〇 醤油:麹菌・酵母・乳酸菌
〇 漬物:乳酸菌
〇 ヨーグルト:乳酸菌
〇 チーズ:乳酸菌
〇 清酒:麹菌・酵母
〇 ワイン:酵母
〇 ビール:酵母
〇 食酢:麹菌(米酢の場合)・酵母・酢酸菌
〇 味醂:麹菌
〇 鰹節:鰹節カビ
〇 パン:酵母

発酵の化学式や反応工程の詳細、食品それぞれの栄養的効用などについては同書を読むとして、以上、概要は掴んでいただけると思う。これらを頭に入れておくと(同書を読むとさらに)日々の料理や食事がより味わい深くなる筈だ。

 食品・飲物・調味料のなかでも、三種類の微生物が活躍する日本の味噌、醤油、米酢は、発酵の王様といえると思う。本のタイトルに「日本の伝統」とあるのが頷ける。以前、「人口減少問題と国家理念」の項で、

(引用開始)

 世界は日本の人口減少に無条件で協力してくれるほど甘くない。世界にはこれまで滅んだ(言語が消滅した)国は数多い。日本がそのうちの一つとなっても世界は困らないかもしれない。しかし、日本(日本語による発想)がXXの分野で世界に貢献していて、それが他をもって替えられないのであれば、世界は日本の存続に協力してくれるかもしれない。はやくそのXXについて議論しようではないか。

(引用終了)

と書いたけれど、日本の発酵食品はこの「XX」の一つとして相応しいに違いない。

 最後に、発酵食品の特長を3つ並べておこう。

1.美味しく健康に良い

<発酵の意義>の(2)と(3)に同じ。発酵食品が身体に有益なことは論を待たない。

2.モノというよりもコト

発酵には適度な時間がかかる。このブログでは、二十世紀の大量生産システムと人の過剰な財欲による行き過ぎた資本主義への反省として、また、科学の還元主義的思考によるモノ信仰の行き詰まりに対する新しい枠組みとして生まれた、動きの見えないモノよりも動きのあるコトを大切にする生き方、考え方への関心の高まりを「モノコト・シフト」と称し、いろいろな角度から論じているが、「食」の分野では、微生物の活動(コト)によって育まれる発酵食品にこれからさらに関心が集まるだろう。

3.多様性を育む

発酵食品は地方特有の風土に根ざしている。だからそれを食すのは地域の歴史・文化を知ることに繋がる。モノコト・シフトは中央集中ではなく地方分散の時代でもある。発酵食品に支えられた「和食」を世界に広めることは、時代的にも理にかなっていると思う。

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posted by 茂木賛 at 10:37 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

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