夜間飛行

茂木賛からスモールビジネスを目指す人への熱いメッセージ


糖質と脂質

2013年01月29日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 前回紹介した、藤田紘一郎氏の“脳はバカ、腸はかしこい”という本の第四章「食べ物は脳をだます、腸はだまされない」には、五大栄養素の中の糖質と脂質について、最新の知見が纏められている。少々長くなるが、そのエッセンスの部分を引用したい。

(引用開始)

 近年、老化や寿命に関係ある栄養素として、糖と脂質が重要視されてきました。糖や脂質は活性酸素の影響を受けてカルボニル化合物になり、たんぱく質を修飾して「AGEs(糖化最終産物)」を生成し、脂質が修飾を受けて「ALEs(脂質過酸化最終産物)」を生成し、これらが細胞や組織を傷害して老化やさまざまな病気の発症や進展につながっていくと考えられるようになったからです。このようなAGEsができる反応を、「タンパク質の糖化(グリケーション)」と呼んでいます。
 生物が呼吸して取り入れている酸素の95%以上は、生体中のミトコンドリア内の電子伝達系で水に分解されます。しかしその3〜5%が中間体として残り、いろいろな活性酸素が生成されます。その活性酸素にはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、脂質ペルオキシドラジカル、次亜塩素酸などがあります。これらの活性酸素は他の物質と反応して安定しようとする性質があり、過剰になると共存するタンパク質や脂質、核酸などを酸化変性させてしまいます。その結果、糖と結合しAGEsに、脂質と結合してALEsになるのです。(中略)
 糖質とともに、食事での摂取について注意しなければならないのは脂質です。
 ヒトを含めて動物は、長い進化の過程で絶えず飢えの危険にさらされてきました。そのため動物は余分なエネルギーを摂取したときには、それを脂質の形で蓄積し、飢餓の際にそれを利用することによって生き延びる仕組みを獲得しました。しかし皮肉なことにエネルギーの過剰摂取と運動不足が常態化した現代文明社会において、このしくみは肥満の原因となり、さらにはメタボリックシンドロームの要因となってきました。
 脂質は常温で固体のものと液体のものとに分かれています。脂質の成分はグリセロール3つの水酸基に脂肪酸がそれぞれエステル結合したものです。脂肪酸には炭素数や二重結合の位置および数の違いによってさまざまな種類があります。二重結合を持たない脂肪酸を飽和脂肪酸といい、二重結合を持つ脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。動物の脂質は飽和脂肪酸が多く、常温では固体です。それに対して植物では不飽和脂肪酸を多く含み融点が低く、多くの場合、常温では液体となります。
 飽和脂肪酸はバター、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)などです。不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸がありオメガ9といわれています。これにはオリーブ油、キャノーラ油、ひまわり油、ピーナッツ油、パーム油などがあります。また、後者の多価不飽和脂肪酸のうち、リノール酸を含む油をオメガ6といい、コーン油、ごま油、大豆油、くるみ油などがあります。そして、α−リノレン酸やDHA、EPAを含む油をオメガ3といい、亜麻仁油、しそ油、えごま油、イワシやサンマなどの魚の油があります。
 このうちオメガ6とオメガ3は必須脂肪酸であり、人の身体では合成できないので、食べ物などから摂取することが必要となります。
 いま問題になっているのは、体内で合成できない必須脂肪酸のうち、オメガ6脂肪酸は現代文明社会において摂取量が拡大傾向にあり、オメガ3脂肪酸が減少傾向にあるということです。この二つの脂肪酸の摂取比率のバランスは、どんどんオメガ6脂肪酸に偏っているのが現代人の食生活であるといわれています。(中略)
 うつ病が20世紀に入って増加しているのは、オメガ6脂肪酸を多く含む植物油の摂取が増加しているからだと考えられます。

(引用終了)
<同書 184−199ページより(文中の化学記号は省略した)>

いかがだろう。さらに、脂質のなかでも、最近人工的につくられるようになった「トランス脂肪酸」に関する解説は次ぎの通り。

(引用開始)

 植物油である多価不飽和脂肪酸は、常温では液体で、酸化しやすい油です。そこで植物油を常温で固形状にし、しかも空気中に安定したものにするにはどうすればよいかが研究された結果、多価不飽和脂肪酸に水素添加するという方法が考えられました。水素添加すると普通の飽和脂肪酸とよく似ていますが、少しいびつな脂肪酸ができあがります。これが「トランス脂肪酸」と呼ばれるものです。
 脂肪を研究している科学者たちの間では、油に水素添加することを「オイルをプラスチック化する」と言っています。水素添加によって作り出されるトランス脂肪酸は、プラスチック同様、自然界では分解されない物質で、もちろん自然界には存在しない物質なのです。
 私たちの周りには、いつの間にかこのトランス脂肪酸を多く含む食品があふれています。マーガリンをはじめ、ショートニング、フライドポテト、ビスケット、クッキー、クラッカー、パイ、ドーナッツ、ケーキ、シュークリーム、アイスクリーム、菓子パン、クロワッサン、インスタント麺など、若者を中心に多くの日本人が喜んで食べているものばかりです。
 しかし、自然界に存在しない人工産物であるトランス脂肪酸が体内に入り込むと、必須脂肪酸としての役割を果たせないため、細胞膜の構造や働きが正常でなくなってしまいます。その結果、体内では活性酸素が生じるようになるのです。そして、摂取したトランス脂肪酸の影響を最も受けるのは、脳ではないかといわれています。それは脳の役60%が脂質でできているためです。(中略)
 もっとはっきりしていることは、トランス脂肪酸は動脈硬化などを起こす悪玉コレステロールを増やし、予防効果のある善玉コレステロールを減らします。この結果を受けてWHOは、トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とする目標基準を設けるなど、トランス脂肪酸の摂取に関しては、現在欧米を中心として厳しい規制の動きが広がっています。

(引用終了)
<同書 203−206ページより>

 以上、糖質と間違った脂質の取りすぎが、健康によくないことがよく分かる。勿論これからも新しい知見がいろいろと出てくるだろう。ここまでのところで、どのような食材を取れば健康に良いかについては、本書や、“糖質革命”櫻本薫・美輪子共著(宝島社)などに詳しい。仕事が忙しい皆さんも、栄養素に関する最新の知見をいろいろと学びながら、健康に充分留意していただきたい。

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脳腸バランス

2013年01月21日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 “脳はバカ、腸はかしこい”藤田紘一郎著(三五館)という愉快な本を読んだ。まず新聞の書評から紹介しよう。

(引用開始)

 寄生虫学者である著者の体内に4年ぶりに新しい生命が宿った。その名はホマレちゃん。初代サトミちゃんから数えて6代目にあたるサナダムシの幼虫が著者の小腸に着床したのだ。ホマレちゃんは2カ月足らずで10メートル以上に育つ発育ぶりを示した。著者が近年、糖質を制限し悪い油の摂取を避ける健全な食生活を送っているからだ。
 著者は寄生虫と共生し、腸内細菌を増やすことで体の免疫力を高め、この腸内環境が「幸せ物質」と呼ばれるドーパミンやセロトニンの前駆体を合成し、脳まで運ぶ重要な役割を果たしていることを、自らの体で実証する。生命の歴史で言えば、腸神経系は40億年前にでき、たかだか5億年前からの脳を支配している。「脳論」の一歩先を行く「腸論」で、恋愛、健康から社会病理まで見事に読み解く。目からうろこの免疫最新情報も満載。三五館・1260円。

(引用終了)
<東京新聞 11/13/2012>

 このブログでは、

A Resource Planning−英語的発想−主格中心
a 脳の働き(大脳新皮質主体の思考)―「公(Public)」

B Process Technology−日本語的発想−環境中心
b 身体の働き(脳幹・大脳旧皮質主体の思考)―「私(Private)」

という二項対比・双極性を指摘し、二つのバランスの大切さを強調しているが、藤田氏のいう「腸」は、この対比でいうところの「身体の働き」と重なり、「脳」は、「脳の働き」と重なっている。大脳新皮質の働きは、社会を構成し始めた人(ヒト)において著しく発達した。だから脳(大脳新皮質)はそもそも社会のための“公器”なのであって、自分の欲望の充足のためにあるものではない。以前「日本語と社会の同質性」の項で、

(引用開始)

日本語的発想における脳の働きは、どうしても身体の働き(脳幹・大脳旧皮質の思考)に引きずられてしまうので、「公(Public)」の概念をしっかりさせておかないと、生産(他人のための行為)に向かうよりも、消費(自分のための行為)に向かってしまうようだ。

(引用終了)

と書いたけれど、いまの日本人は、脳(大脳新皮質)を自分のためだけに働かせすぎる。そういう今の日本社会を憂う藤田氏は、自分の健康のためには“脳はバカ”だから、「腸」を鍛えなさいと主張しておられるのだと思う。

 健康における「腸」の大切さに関する本は、“腸!いい話”伊藤裕著(朝日新書)、“腸脳力”長沼敬憲著(BABジャパン)、“腸は第二の脳”松生恒夫著(河出ブックス)などもある。併せて読むと腸の働きについてさらに理解が深まるだろう。

 藤田氏の“脳はバカ、腸はかしこい”の副題には、“腸を鍛えたら、脳がよくなった”とある。上の新聞の書評にもあるように、自分の健康のために「腸」を鍛えると、「脳」の働きもよくなるというわけだ。詳しくは本書をお読みいただきたいが、一部引用してみよう。

(引用開始)

トリプトファンやフェルニアラニンなどのアミノ酸からセロトニンやドーパミンを合成するためには、葉酸やナイアシン、ビタミンB6といったビタミン類が必要です。これらのビタミン類は私たちの体内では合成できません。腸内細菌が作っているのです。腸内細菌がバランスよく、数多く存在しないと、幸せ物質であるセロトニンとやる気物質であるドーパミンが不足し、うつ状態になったりイライラしたりするのです。

(引用終了)
<同書 91−92ページ>

セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質については、以前「仕事の達人」の項でも触れたことがある。「腸」を鍛え、そして「脳」の働きを強め、社会のためにより良い仕事をしようではないか。

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posted by 茂木賛 at 14:05 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

重ね着の思想

2013年01月15日 [ 街づくり ]@sanmotegiをフォローする

 このブログでは、これまで「内と外 II」や「境界設計」、「境界としての皮膚」、「布づくり」や「森ガール II」などの項で、街づくりや建築、身体や衣服における「境界」の重要性に注目してきた。先回「みんなの家」の項で紹介した“あの日からの建築”伊東豊雄著(集英社新書)にも、類似の指摘があるので紹介しておきたい。

(引用開始)

 これからの時代にとって、新しいテクノロジーの活用は不可欠ですが、今日の大勢は近代主義思想の延長上で技術を展開しようとしている点に問題があります。
 例えば、エネルギー源として太陽光を利用するのは言うまでもありませんが、大方の建築では内外の境界をより強固にして断熱性能を上げ、省エネルギー化をはかっています。境界の壁を強化すること、それでは人工的な人間の居住環境は周囲の自然環境からますます遠ざかっていくばかりです。
 それよりも私は、建築の内部環境を外部環境に近づけたほうが、最終的には消費エネルギーを減らすことができると考えます。つまり、温熱環境を外部から内部へとグラデーショナルに変化させるのです。内外の環境を一枚の壁で仕切ってしまうのではなく、複数の壁で段階的に区切っていくのです。
 かつての日本の木造家屋はこうした方法で自然と居住域を柔らかく隔てていました。勿論かつての木造家屋は、障子や襖のように境界面の断熱性能が低かったので、全体の断熱性能は決してよくはなかったのですが、それらの性能を上げていけば、私たちはもっと自然に近づいて住むことができるはずです。日本のように季節によって居住環境に大きな差のある地域では、夏のいちばん暑い日や冬のいちばん寒い日に照準を合わせて境界を定めるのはロスが大きいと言わざるを得ません。春秋の季節には外部に近い環境で過ごしたいし、一日をとっても朝晩と日中では温度が変化するのは言うまでもありません。
 かつての木造家屋の思想を現代テクノロジーを用いて性能アップしていくことによって、私たちは生活をもっと楽しむことができるはずです。こうした考え方のほうが一枚の境界を堅固にするよりは、トータルな消費エネルギーを削減することに必ずなるはずです。先に津波に対してたった一枚の防潮堤で防ぐのではなく、複数の柔らかな環境によって防ぐべきであると述べましたが、建築自体においてもこの思想は全く同じなのです。私たちは近代の明快に切り分ける思想から脱してもっと柔軟に、内外の折り合いをつけていく考え方に切り替えることが必要ではないでしょうか。

(引用終了)
<同書 174−176ページ>

 日本人は十二単の昔から、季節の温度変化に対していわゆる「重ね着」で対応することを服飾文化の一つとしてきた。そこで、こういった「近代の明快に切り分ける思想から脱してもっと柔軟に、内外の折り合いをつけていく考え方」を「重ね着の思想」と名付けてみたい。以前「場所の力」の項で、

(引用開始)

 世界は、XYZ座標軸ののっぺりとした普遍的な空間に(均一の時を刻みながら)ただ浮かんでいるのではなく、原子、分子、生命、ムラ、都市、地球といった様々なサイズの「場」の入れ子構造として存在する。それぞれの「場」は、固有の時空を持ち、互いに響きあい、呼応しあい、影響を与え合っている。この「場所の力」をベースに世界(という入れ子構造)を考えることが、モノコト・シフトの時代的要請なのである。

(引用終了)

と書いたけれど、その「入れ子構造」をよく理解するには、境界に注目する「重ね着の思想」が大切だと思う。

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posted by 茂木賛 at 11:22 | Permalink | Comment(0) | 街づくり

みんなの家

2013年01月08日 [ 街づくり ]@sanmotegiをフォローする

 建築家伊東豊雄氏の“あの日からの建築”(集英社新書)という本を読んだ。「みんなの家」とは、伊東氏が東日本大震災の被災地に建築している家のことで、本カバーの裏の紹介文には、

(引用開始)

 東日本大震災後、被災地に大量に設営された仮設住宅は、共同体を排除した「個」の風景そのものである。著者は、岩手県釜石市の復興プロジェクトに携わるなかで、すべてを失った被災地にこそ、近代主義に因らないし自然に溶け込む建築やまちを実現できる可能性があると考え、住民相互が心を通わせ、集う場所「みんなの家」を各地で建設している。
 本書では、鉱区内外で活躍する建築家として、親自然的な減災方法や集合住宅のあり方など震災復興の具体的な提案を明示する。

(引用終了)

とある。新聞の本の紹介文も引用しておこう。

(引用開始)

 建築家の著者は、岩手県釜石市の復興プロジェクトに携わるうち、被災した住民たちが気楽に集える場所の必要性を感じて「みんなの家」の建築を各地で進めている。内と外を切り分けて個性的なかたちを提示する抽象的な概念提示から、外の環境とも自在に行き来する共同の営みへ。仕事を社会とつなげるための著者の試みをたどる。

(引用終了)
<朝日新聞 10/28/2012>

 この「みんなの家」、既に伊東氏によって仙台市宮城野区、釜石市浜町、陸前高田市などに建てられているが、建築家山本理顕氏によっても、釜石市平田市に「みんなの家・かだって」が建てられている。「みんなの家」プロジェクトの発起人は、伊東氏の呼びかけで、東日本大震災の復興についてともに考え、行動することを目的に結成された「帰心の会」(伊藤豊雄、山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世)なので、この五人によって設計することを基本としているという。

 このブログでは、世界は、時間が止まった「モノ」よりも、「コト」の起こる場の力を大切に考える「“モノからコトへ”のパラダイム・シフト」(略してモノコト・シフト)の時代を迎えている、と述べてきたけれど、「みんなの家」は、モノコト・シフトの時代における、新しい家づくり・街づくりの方向性を示している。本の中から伊東氏の文章を引用したい。

(引用開始)

 私が設計の仕事を始めてから、つくり手と住まう人がこれほど心をひとつにしたことはありません。近代合理主義のシステムに従えば、「つくること」と「住むこと」の一致は不可能だと言われてきましたし、自分でもその境界ををなくすことはあり得ないと考えてきましたが、この日、つくることと住まうことの境界が溶融していくのを実感しました。それはこうした特殊な状況において初めて実感できたのであって、通常の設計行為においてこのような関係が成り立つとは思いません。しかしたとえ一瞬であっても、こうした瞬間に立ち会えたことは建築後してこの上ない幸せでした。(中略)
 心のつながりは住民相互だけではありません。資金提供をしてくれた熊本県からも多くの人たちがここを訪れてくれました。県から贈られた「ゆるきゃらグランプリ」のぬいぐるみ、「くまモン」は神棚のような場所に大切に飾られています。また訪れた県議のなかに造り酒屋の主人がいて、住民たちと一緒に撮った写真をラベルに貼った焼酎(しょうちゅう)を贈ったり、さまざまな心の交流が始まっています。こうした心の交流こそ、正しく「みんな」の家の趣旨なのです。震災後、日本は勿論のこと、世界各地から膨大な義援金や救援物資が届けられました。そうした善意が有難いことは言うまでもありませんが、単に一方から他方への一方通行ではなく、相互に心が通い合う行為こそが、これからの人間関係や社会のあり方を考える鍵ではないでしょうか。

(引用終了)
<同書 78−79ページより>

ここでいう「相互に心が通い合う行為」こそ、モノコト・シフト時代の社会に求められていることなのだと強く思う。2012年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展において、「みんなの家」が金獅子賞を獲得したのも頷ける。

 尚、「帰心の会」のメンバーのうち、山本理顕氏について以前「流域社会圏」の項で、内藤廣氏については「水辺のブレイクスルー」、また隈研吾氏については以前「境界設計」や「場所の力」などの項で紹介したことがある。併せてお読みいただければ嬉しい。

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posted by 茂木賛 at 10:57 | Permalink | Comment(0) | 街づくり

理念(Mission)先行の考え方

2013年01月01日 [ 起業論 ]@sanmotegiをフォローする

 会社で最も重要なのは、その理念(Mission)だろう。以前「理念(Mission)と目的(Objective)の重要性」の項で、

(引用開始)

 会社を始める際には、なぜその会社を興そうとしたのかという理念(Mission)と、具体的に何を達成したいのかという目的(Objective)を、自分できちんと書いてみることが重要である。

 いくら小さくとも会社は一つの共同体だから、その理念と目的を、社員やお客様、さらには社会に対してわかりやすく伝えることが大切なのである。この二つをはっきりさせず、ただお金が儲かるからとか、人に頼まれたからという理由で始めても、会社という共同体は長続きしない。

(引用終了)

と書いたけれど、「創業理念」は起業した後も重要である。何故なら、その文言は、なぜその会社が営業を続けるのかを示す、いわば会社の存在理由(レゾンデートル)だからである。

 この理念先行型の考え方は、起業や会社運営という大きな場面だけではなく、その中で、さまざまなプロジェクトを推進・実行する際や、個人のキャリアプラン作りにも有効である。“ミッションからはじめよう!”並木裕太著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、その為のフレームワークを平明に解説した本だ。新聞の書評を引用しよう。

(引用開始)

使命を重視し課題の整理を

 ビジネスとは絶え間ない課題解決のこと。航空会社の経営企画室に配属された「大空翔子」は、格安航空会社への対抗策という課題を会社から与えられる。戸惑う彼女の前に登場したのが、コンサルタント「並木裕太」。彼はフレームワークやツリーやらの専門用語を駆使して課題を解決に導く。
 裕太が説く解決のステップは、「ミッション(使命)、ロジック(論理)、リアライズ(実行)」。リアライズには「レジスター(認識)、エンゲージ(向かい合い)、コミット(責任を持つ)」の三つが必要ということで、翔子は随所で「また出た、横文字! 耳障りだし、意味がわからない」と、ツッコミまくる。そのツッコミに裕太が答える中で、意味不明の用語がわかりやすく解説されていく、という仕掛けだ。
 著者は外資系コンサルタント会社出身で、この本も、コンサルお得意のロジカルシンキングを扱っているが、「ロジック」よりも「ミッション」を重要視した点に、新たなひらめきがある。ミッションとは「なぜ、それを実行するのかというそもそもの志、使命」のこと。ビジネスの現実はロジカルとはいい難いが、ミッションという軸が見え、課題整理のスキルがあれば、前に進むことはできる。そのスキルの最先端を、誰にも使い勝手よく整理している。

(引用終了)
<朝日新聞 5/13/2012>

ということで、この本には、ミッションをつくる上で役に立つツールが多く紹介されている。一読をお勧めしたい。

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posted by 茂木賛 at 12:23 | Permalink | Comment(0) | 起業論

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