夜間飛行

茂木賛からスモールビジネスを目指す人への熱いメッセージ


中小製造業

2009年08月25日 [ 起業論 ]@sanmotegiをフォローする

 “中小企業は進化する”中沢孝夫著(岩波書店)という、中小製造業についての本を読んだ。

(引用開始)

「植物のようにしっかりと根を張り、環境に適応して地域経済を支える中小企業の強さと柔軟性」

 中小企業は植物である、一ヶ所に根を張り、周囲の環境が激変してもそれに適応すべくがんばる。中小企業は技術を鍛え、研究開発を怠らず、常に進化することでのみ生き残ることができる。福祉的な政策から発展の政策へと転換した中小企業政策を捉え直し、多様な存在の中小企業をポジティブな見通しに位置づける中小企業進化論。

(引用終了)
<本の帯とカバー裏の紹介文より>

 著者は、福井や長野県の中小企業を訪ね、その実例を紹介しながら、中小企業と地域社会・地域経済との関わりを説明し、さらに海外展開、東アジアとの交流、中小企業の質と政策論の転換などについてもわかりやすく論じている。私も自動車関連の中小製造業さんと関わっているので参考になる。新聞の書評からも引用しよう。

(引用開始)

 「“同じ”の時代から“違う”の時代へ」日本企業は進まねばならないと、私は十数年前から言ってきた。先端技術である液晶、プラズマの大画面テレビで、ソニーなど日本の超大企業が世界市場で苦戦して、巨額の赤字を続けている。それは、テレビはどこの国のどの企業がつくってもほぼ同じであり、大量生産の得意な韓国、台湾との価格競争がきわめて厳しいからだ。一方、工作機械は多種多様であり、非常に多くの企業があってそれぞれ得意な製品を持つ日本は、世界でも断然強く、二五年間も市場しシェアトップを続けている。
 “同じ”ものを大量につくっている大企業とは異なり、中小企業はそれぞれに“違う”ものをつくっている。日本の製造業がこれから進むべき道に向いているのだ。
 著者は、現場を訪ねて綿密な調査をする中小企業研究者であり、数多くの元気いっぱいの企業を紹介している。それを基に、中小企業の現在、将来をどう見るかの議論を展開しているが、その基調は、題のとおり“進化”であり、これからも強くあるべき日本の“ものつくり”を託すことができると分かる。(後略)

(引用終了)
<毎日新聞6/28/09森谷正規評>


 このブログの初回「スモールビジネスの時代」のなかに、

(引用開始)

 最近、品質や安全の問題が頻発し、高度成長時代を支えた大量生産・輸送・消費システムが軋みをみせている。大量生産を可能にしたのは、遠くから運ばれる安い原材料と大きな組織だが、多品種少量生産、食品の地産地消、資源循環、新技術といった、安定成長時代の産業システムを牽引するのは、フレキシブルで、判断が早く、地域に密着したスモールビジネスなのではないだろうか。

(引用終了)

と書いたけれど、「フレキシブルで、判断が早く、地域に密着したスモールビジネス」の製造業版が、この本で語られる中小製造業の姿であろう。

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posted by 茂木賛 at 09:51 | Permalink | Comment(0) | 起業論

3の構造

2009年08月17日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 「3」という数に興味がある。「3」は、弁証法のテーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼ、時間の過去・現在・未来、音楽のソナタ形式、武道の守・破・離、神話の三種の神器、数学の三角関数、その他、いろは、上中下、松竹梅、序破急、心技体、朝昼晩、ABC、大中小などなど、さまざまな場面に顔を出す。また「3」は、「コッホ曲線」と呼ばれるフラクタル図形の基本数でもある。「アフォーダンスについて」で述べた、ミーディアム・サブスタンス・サーフェスという世界構造も「3」である。フラクタルやアフォーダンスという非線形科学の根本に、「3」という数があるわけだ。これらをまとめて「3の構造」と命名したい。

 「3の構造」に関連して、“3つに分けて人生がうまくいくイギリス人の習慣”井形慶子著(新潮文庫)から引用しよう。

(引用開始)

「数」は万物の根元であり、数字のひとつひとつに隠された真実がある」と説いたのはギリシャの数学者ピタゴラスです。彼の理論をもとに体系立てた数秘学には、3の持つ意味がこう記されていました。
「3には2つの対立するバラバラな働きから、新しい展開やパワーを生み出し、物事をさらに発展させる創造的な力がある」(中略)
 2つの点からはただの直線しか生まれませんが、3つにすると三角形が出来上がり、面積が誕生します。「線が細い人」とたとえても「面が薄い人」とはいいません。しかも線を面に変えるだけで、イメージはたちまち安定します。たとえば椅子は二本脚では成り立ちませんが、三本にすると腰掛けても倒れない家具になるのです。
 
(引用終了)
<同書24−25ページ>

「3」は、「発展性」と同時に「安定性」を表す特別な構造である。次に、東京新聞「筆洗」(4/10/08)から引用しよう。

(引用開始)

 例えば「話したいことが三つあります」と言われると、聞いてみようかという気になる。一つや二つでは何となく物足りない。四つや五つでは多すぎるし、全部覚えることが難しそうである。
 オリンピックのメダルも金・銀・銅と三つあるので、一層盛り上がるのかもしれない。スポーツに限らず上位の「三」という数字は、多数の中で頂点を人々に感じさせる効果があるという(飯田朝子著『アイドルのウエストはなぜ58センチなのか』)。

(引用終了)

「3」は、多すぎず少なすぎず、さらに「多数の中で頂点を感じさせる」構造でもある。以前「ホームズとワトソン II」の中で、企業における資産と市場とのマッチングに関して、戦略の独創性が必要であると指摘し、

(引用開始)

独創性は、組織・商品・店舗・流通など合わせて少なくとも三つ以上欲しいところだ。

(引用終了)

と書いたのは、この「3の構造」を意識したものだった。

 「3の構造」は、冒頭に挙げた以外にも、物質の固体・液体・気体状態、一流・二流・三流、三位一体、三権分立、第三の男、第三の推論、第三の波、第三の道、3点測法、左中右、外中内、じゃんけんのグー・チョキ・パー、第3のビールなど、まだまだ色々ある。これからも「3の構造」について様々な角度から考えていきたい。

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posted by 茂木賛 at 09:29 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

盤上の自由

2009年08月10日 [ 起業論 ]@sanmotegiをフォローする

 短い夏休み、長野の山荘で本を読む。今年山へ持っていった本は、

“世界は分けてもわからない”福岡伸一著(講談社現代新書)
“単純な脳、複雑な「私」”池谷裕二著(朝日出版社)
“シリコンバレーから将棋を観る”梅田望夫(中央公論新社)
“日本語は論理的である”月本洋著(講談社選書メチエ)
“海岸線の歴史”松本健一著(ミシマ社)
“ワシントンハイツ”秋尾沙戸子著(新潮社)
“カガク英語ドリル”柳下貢祟/David P. Baca/遠藤良子監修(シーエムシー出版)

の7冊。テラスに椅子を出し、「並行読書法」の要領で読み進める。短い間だったけれど、深い木立と鳥の囀りに囲まれて至福の時を過ごすことができた。


盤上の自由


 “シリコンバレーから将棋を観る”は、以前「ウェブ新時代」や「カーブアウト V」で紹介した、“ウェブ時代をゆく”の著者梅田望夫氏の最新作である。他の本は別の機会に譲るとして、今回はこの本に触れておきたい。まず本の帯から紹介文の一部を引用する。

(引用開始)

 好きなものはありますか?極めたいことはなんですか?――ベストセラー『ウェブ進化論』の著者が「思考(アイデア)の触媒」として見つめ続けてきたものは、将棋における進化の物語だった。
 天才の中の天才が集う現代将棋の世界は、社会現象を先取りした実験場でもある。羽生善治、佐藤康光、深浦康一、渡辺明ら、超一流プロ棋士との深い対話を軸に、来るべき時代を生き抜く「知のすがた」を探る。

(引用終了)

 梅田氏は、「指さない将棋ファン」として、タイトル戦などをネットで観戦しながらこの本を書かれた。氏は本書で、「ウェブ新時代」における「現代将棋」の意義を、次のように書いておられる。

(引用開始)

 羽生に現代将棋の本質について尋ねるとき、決まって彼が語るのは、つい最近まで「盤上に自由がなかった」ということである。それをはじめて聞いたとき、私は「あれっ」と思った。なぜなら将棋を指すとき私たちは、ルールに違反さえしなければ、盤上でどんな手を指したってかまわないからだ。盤上の自由とは、将棋のというゲームに、おのずから内包されたもののはずである。
 しかし羽生が問題視していたのは、将棋界に存在していた、日本の村社会にも共通する、独特の年功を重んずる伝統や暗黙のルールが、盤上の自由を妨げていたことだった。(中略)
 将棋の世界は、いくら新手を創造しても、それを特許や著作権で守ることなどできない。しかも誰かがどこかで一度指した手は、瞬時に伝達されて研究される。しかし、そんな「情報革命」が進行するこの厳しくて大変な時代も、皆で一緒に進化・成長できる良い時代と考えることができる、こういう時代に生きているからこそ将棋の真理の解明も早く進むのだ、そう羽生は認識しているのである。

(引用終了)
<同書29−45ページより>

ここで語られる「盤上の自由」と「知のオープン化」は、以前「ハブ(Hub)の役割」で書いた「公平性=次数相関±0を心がけること」と共に、これからの社会の有り方の基本だと思う。

 本書には、梅田氏と羽生善治氏との対談も収められており、これからの時代に対する、お二人の思いがとても良く伝わってくる。いずれ羽生氏の著書にも目を通してみたい。

 この本から得たことは「ウェブ新時代」の知見だけではない。子どもの頃私も祖父から将棋を習い、参考書などを買い込んで、矢倉や美濃囲い、棒銀や振り飛車などの戦法を勉強した。この本は、その懐かしい将棋の世界へ私を連れ戻してくれた。本にはタイトル戦の棋譜も載っている。私も「指さない将棋ファン」の一人として、棚の奥に仕舞われた将棋盤の埃を払い、駒を並べてみたくなった。

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想い出のアリーナ

2009年08月05日 [ プレイリスト ]@sanmotegiをフォローする

 やがて、昨年横浜アリーナで行なわれたサザンオールスターズ(サザン)のコンサートから一年が経つ。コンサート最終日に演奏された全46曲のうち、「雨のアリーナ」で選んだ曲以外から、新たに12曲を選んでプレイリストを作ってみる。プレイリストのタイトルは「想い出のアリーナ」。

<A面>
「愛の言霊(ことだま)〜Spiritual Message〜」
「シュラバ★ラ★バンバ SHURABA-LA-BANBA」
「ごめんよ僕が馬鹿だった」
「いとしのエリー」
「真夏の果実」
「希望の轍」

<B面>
「OH!! SUMMER QUEEN 〜夏の女王様〜」
「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」
「ボディ・スペシャルU(BODY SPECIAL)」
「マンピーのG★SPOT」
「夕方Hold On Me」
「みんなのうた」

<A面>に懐かしい曲を多く入れ、<B面>には野外コンサートらしい曲を並べた。曲順は当日と同じである。iPODにこれらの曲を入れ、一年前のコンサートを想い出しながら楽しんでほしい。参考までに、それぞれの曲を含むアルバム・シングル版と、それが発表された年を載せておこう。

<A面>
1996年(アルバム「Young Love」)
1992年(アルバム「世に万葉の花が咲くなり」)
2005年(アルバム「キラーストリート」)
1979年(アルバム「10ナンバーズ・からっと」)
1990年(アルバム「稲村ジェーン」)
1990年(アルバム「稲村ジェーン」)

<B面>
2008年(シングル「I AM YOUR SINGER」)
1993年(シングル「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」)
1983年(シングル「ボディ・スペシャルU(BODY SPECIAL)」)
1995年(シングル「マンピーのG★SPOT」)
1984年(アルバム「人気者で行こう」)
1988年(シングル「みんなのうた」)

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