夜間飛行

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フィードバック効果

2019年08月14日 [ 非線形科学 ]@sanmotegiをフォローする

 非線形現象とは何か。『新しい自然学 非線形科学の可能性』蔵本由紀著(ちくま学芸文庫)という本には次のようにある。

(引用開始)

 非線形現象、あるいは非線形系とはそもそも何を意味するのであろうか。大雑把に言えば、非線形現象とは何らかの形でフィードバック効果が働く現象であるといってよいであろう。フィードバック機構、つまりあるプロセスが進行すれば、それによって生じる事態がそのプロセスの進行を促進したり阻害したりするような機構、それを内蔵しているシステムを非線形系とよんでよい。フィードバック効果は、プロセスの進行にともなう物理量の変動が小さいうちは無視できるが、変動が大きくなると単に無視できないばかりか、根本的に系のふるまいを変えてしまうことがある。静止した流体が不安定化して流動を開始する熱対流は、典型的な非線形系現象である。不安定化した流動が、どこまでも不安定ではなくて一定の流れに落ち着くのも、非線形性からくるフィードバック効果による。一般的に非線形系では、安定化と不安定化の機構がさまざまに絡み合って、実に多彩で奥深い現象が現れる。

(引用終了)
<同書 95−96ページ>

フィードバック効果の働く現象が非線形現象、そうでないものが線形現象ということだ。

 以前「モチベーションの分布」と「興味の横展開」の両項で、ある意図や行為に関する人々の興味は「正規分布(例:人の身長やみかんの大きさ)」に従い、興味の度合いに応じて集まる情報量は「8:2の法則(ベキ法則・ベキ乗則のこと。例:トップ2割の人が企業利益の8割を稼ぐ)」に従うと書いたけれど、これをフィードバック効果の在り無しでいうと、前者は(個別事象の集計だから)フィードバック効果無し、後者は(プロセスの進行現象だから)フィードバック効果在りということになる。

 複眼主義の対比、

A Resource Planning−英語的発想−主格中心
a 脳(大脳新皮質)の働き−「公(Public)」
A 男性性=「空間重視」「所有原理」
A、a系:デジタル回路思考
世界をモノ(凍結した時空)の集積体としてみる(線形科学)

B Process Technology−日本語的発想−環境中心
b 身体(大脳旧皮質及び脳幹)の働き−「私(Private)」
B 女性性=「時間原理」「関係原理」
B、b系:アナログ回路思考
世界をコト(動きのある時空)の入れ子構造としてみる(非線形科学)

でいえば、A系思考はどちらかというと正規分布指向、B系思考はベキ乗則指向といえるだろう。

 「ハブ(Hub)の役割」でも書いたが、ベキ乗則はスケールフリー(平均値や分散値が捉えられない現象)でもある。『歴史は「ベキ乗則」で動く』マーク・ブキャナン著(ハヤカワ文庫ノンフィクション)という本もあった。副題は「種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学」。「1/fのゆらぎ」現象も興味深い。こういったフィードバック効果の働きを頭に入れて、これからの列島の統治を考えたい。

 尚、蔵本氏の本はこれまで『非線形科学』(集英社新書)について「相転移と同期現象」の項で、『非線形科学 同期する世界』(集英社新書)について「同期現象」の項で紹介したことがある。併せてお読みいただきたい。

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posted by 茂木賛 at 08:26 | Permalink | Comment(0) | 非線形科学

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