前回「コモンセンス外の言動」の項で、コモンセンス外言動の要因の一つとして、
<2>AとBのバランス
を挙げ、
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A Resource Planning−英語的発想−主格中心
a 脳(大脳新皮質)の働き−「公(Public)」
A 男性性=「空間重視」「所有原理」
B Process Technology−日本語的発想−環境中心
b 身体(大脳旧皮質及び脳幹)の働き−「私(Private)」
B 女性性=「時間重視」「関係原理」
などの内容を指し、複眼主義では両者のバランスを大切に考える。ただし、
・各々の特徴は「どちらかと云うと」という冗長性あり。
・感性の強い影響下にある思考は「身体の働き」に含む。
・男女とも男性性と女性性の両方をある比率で併せ持つ。
・列島におけるA側は中世まで漢文的発想が担っていた。
・今でも日本語の語彙のうち漢語はA側の発想を支える。
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という複眼主義の対比のうち、どちらかへの過度の傾斜がコモンセンス外の言動を生んでしまうと書いたが、このAとBについて、これまでこのブログでみてきた上記以外の思考傾向・特徴を、復習の為にさらにいくつか記載しておきたい。
A、a系:
〇世界をモノ(凍結した時空)の集積体としてみる(線形科学)
〇デジタル回路思考主体
〇体壁・解糖系
〇子音語
〇理性重視、都市指向
〇「近」への反応
〇ひらめき
〇自立と効率
〇空間(space)意識強い
B、b系:
〇世界をコト(動きのある時空)の入れ子構造としてみる(非線形科学)
〇アナログ回路思考主体
〇内臓・ミトコンドリア系
〇母音語
〇感性重視、自然指向
〇「遠」との共振
〇直感
〇共生と効用
〇場所(place)意識強い
以上だが、「後期近代 III」の項で、今の時代の特徴の一つは「中産階級の減少・没落」であり、中産階級の政治的考えは概ねコモンセンスに基づいた「中道」であると書いた。複眼主義でいうABのバランスを大切に考えることは、この“コモンセンスに基づいた「中道」”を支える考え方と重なると思う。






